NTN( http://www.ntn.co.jp )は、新たな配合の特殊樹脂摺動材を用いた外輪と軸受鋼の内輪を組み合わせることにより、従来の樹脂すべり軸受に比べ、摩擦・摩耗特性と耐荷重性を大幅に向上させた「高負荷すべり軸受ユニット」を開発した。
同品は、特殊充填材を配合したPPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂摺動材を用いた外輪と軸受鋼の内輪を組み合わせ、さらに外輪と内輪の間の摺動面にフッ素系グリースを塗布した。これにより、従来の樹脂すべり軸受と比較し、摩耗量が最大1/3、摩擦係数が最大1/2となった。この結果、耐荷重性が最大2倍に向上し、より高負荷条件での使用が可能となる。さらに、軸受と軸が直接摺動する従来のすべり軸受と異なり、外輪と内輪が摺動するため、取り付ける軸の材質や表面粗さが回転トルクや耐久性に及ぼす影響を考慮する必要がなく、軸の設計自由度も高まる。
また、外輪内径を凸曲面、内輪外径を凹曲面で構成して調心性を持たせ、軸やロールのたわみ、ミスアライメントを軸受内部で吸収することで、軸受の取り付けやメンテナンス性を向上させた。
同社は、同品を高負荷条件に使用可能な軸受として、複写機やプリンタメーカーに提案を開始。今後は事務機器以外にも、食品機械、医療機器など他分野での用途展開も図る。