ジェイテクトは、鉄鋼圧延機の瞬間的な過大トルクから駆動系を保護するための、大型駆動軸用(回転径φ500mm以上)のハイパーカップリング(トルクリミッタ)を開発した。
鉄鋼圧延機には、稼働率向上と保全工数削減が同時に求められる。しかし、圧延材の多重噛み込みなどが発生すると、瞬間的に過大トルクが装置全体に負荷され、特に駆動軸や周辺機器が破損する場合があり、稼働率低下や保全工数増大につながる。
この過大トルクを瞬時に開放する方法として、従来はピンのせん断破壊を利用したシャーピン方式が採用されている。しかし、定期的なシャーピンの交換が必要で、ピンの交換に時間が掛かかることが課題だったという。
同社では、これまでにも今回と同タイプの油圧拡張式トルクリミッタを開発を行ったが、駆動軸回転径φ500mm未満の中小径の対応のみとなっていた。トルクリミッタの大径化には油圧保持能力の向上や、作動面の耐久性、トルク開放後の空転性能向上などの課題があった。
今回の開発品は、過去に開発済みの中小径用の構造をベースに、大径対応するための課題を作動面の特殊表面処理、油圧拡張室の構造の見直しなどにより解決した。
これにより、開発済み中小径(φ500mm未満)用と今回開発の大径(φ500mm以上)用の製品ラインアップにより、すべての駆動軸径への対応が可能となり、国内外の製鉄所の圧延ラインを中心に販売を行っていく。
従来品との比較
使用場所