富士ゼロックスは、「トータルカラーマネジメント技術」を開発し、プロダクトデザイン現場をもつ製造業向けに、「RGBワークフローカラーマネジメントサービス」を3月5日から提供する。
新開発の「トータルカラーマネジメント技術」は、パソコンモニター、大型ディスプレイ、プロジェクター等、異なる機器で表示する色を一貫した色に再現する独自の色補正技術。これらの機器は、紙出力に比べ表示できる色の範囲が広く、色統一が困難だった。同技術により、階調を保ちながら色域を制御し、印象が近い色へ自動変換するため、異なる機器間での色統一が可能になる。
この技術を採用した「RGBワークフローカラーマネジメントサービス」は、多種多様なモニター・プロジェクター、プリント出力、使用中のソフトウェアの種類を問わず、イメージ通りの一貫した色を再現する新たな発想のカラーマネジメントサービス。
昨今、製造業のデザイン現場では、3D-CADやコンピューターグラフィックスシステムの導入によるデジタル化が進み、色味が合わないために度重なる修正やコミュニケーョンミスによる後戻りなど、本来のデザイン業務以外の無駄な工数が発生。さらに、商品開発から販売促進までのワークフロー全体では、個人のパソコンモニター、大型ディスプレイ、投影されるプロジェクターなどが、それぞれの利用シーンで表示される色が異なり、意思決定の遅れやクレームの原因になる等の新たな経営課題が生まれている。
本サービスにより、異なる機器間での一貫した色再現が可能になるため、デザイン制作時の色調整や修正作業など、色の見え方の違いによる生産性の低下を抑止し、品質向上と効率化が図れる。また、デジタル化促進によるスピーディーなワークフローが可能になる。具体的な利用シーンとしては、自動車、住宅設備、電気機械器具などのデザイン業務を想定している。
同社デザイン部門の実証実験では、色調整に半日かかっていたプリント出力作業が、一回のプリント指示で行うことができ、大幅に作業時間を短縮。また、モックアップ製作費用が約5割削減という効果も見込まれている。