超硬工具協会( http://www.jctma.jp )はこのほど、工具業界で活躍した人や目覚しい技術開発や改善合理化を図った人を称える「平成25年度超硬工具協会賞」の受賞者を発表した。今回が通算36回目。業界功労賞で生悦住 望氏(ダイジェット工業)、吉田 省三氏 (日本タングステン)の2名が受賞したほか、技術功績賞11社19件、作業・事務・生産技術等の改善賞5社6件が選定された。
生悦住氏は、昭和58年5月の役員改選で懇親担当常任理事に就任、その後、副理事長を通算5期10年、常任理事を同10期20年、協会の主要幹部として同協会を主導牽引した。その間役職は懇親担当2期3年、関連団体担当4期8年、協会賞担当2期3年、関西地区担当8期16年と30年間で4つの担当を歴任した。また、対外的にも関連団体担当常任理事時代には、機械工具団体懇話会をはじめ関連業界代表会合等でその輪を広めた。
吉田氏は、平成15年常任理事就任と同時に資材担当理事並びに平成13年に設立した初代環境担当理事に就任。特に、2期目の資材・環境担当副理事長時代の平成17年には年初から急激に高騰をみたタングステンの価格動向、およびその環境問題に関して、吉田氏が理事を務めるタングステン・モリブデン工業会とともに情報収集と問題解決に奔走した。また、関連団体に先駆け、PRTR法(化学物質管理促進法)、超硬合金、サーメット、セラミックの3種類のMSDS(化学物質等安全データシート)の業界標準の雛型を策定し社会、時代の要請に応えるとともに会員企業に多大な便宜を与えるなど環境委員会の方向性と礎を築いた。さらに、欧州のRoHS司令等国際的な物質規制を踏まえた会員企業の環境対応製品を積極的に評価認定する環境調和製品認定制度の実施に向け、3年間14回に及ぶ議論を推進した。
受賞一覧は以下のとおり。
技術功績賞(11社19件)
「高機能ショルダーカッタ「MFWN型」の開発」京セラ
「極小内径加工用工具「EZバー」の開発」京セラ
「軟質材用超硬合金PDMの開発」サンアロイ工業
「スミダイヤバインダレスエンドミルの開発」住友電工ハードメタル
「正面フライス工具 スミデュアルミルDGC型の開発」住友電工ハードメタル
「鋼旋削用コーテッドサーメット T1500Zの開発」住友電工ハードメタル
「『耐熱合金用ワンカットラジアスエンドミル』の開発」ダイジェット工業
「ステンレス旋削用CVD工具「T6100シリーズ」の開発」タンガロイ
「8コーナ高送りカッタ DoFeedQuadの開発」タンガロイ
「内径加工用工具DoMiniTurn/Bore Lineの開発」タンガロイ
「高経済性6コーナドリル TUNGSIX-DRILLの開発」タンガロイ
「鋼加工用コーティング材種「DM4」の開発」日本特殊陶業
「WC-FeAl系超硬合金の開発」ノトアロイ
「多機能正面フライスの開発」日立ツール
「高硬度鋼用高能率多刃ボールエンドミルの開発」日立ツール
「フジロイ摩擦攪拌加工用ツールの開発」冨士ダイス
「Rドリルの開発」マコトロイ工業
「鋼旋削加工用CVD材種MC6025の開発」三菱マテリアル
「スマートミラクルエンドミルの開発」三菱マテリアル
作業・事務・生産技術等の改善賞(5社6件)
「WC粉末出荷用ドラム缶のリユース化」アライドタングステン
「展示工具運搬システムの構築」ダイジェット工業
「焼結炉・CVD炉の自動停止および連絡手段の確保」タンガロイ
「海外向け梱包業務の効率化」富士精工
「特殊軸の生産性向上」富士精工
「産業廃棄物のゼロエミッションの達成」三菱マテリアル