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神戸製鋼所、自動車パネル用アルミ板材の製造・販売を行う新会社

 神戸製鋼所は、中国天津市の西青(シーチン)経済技術開発区において、自動車パネル用アルミ板材(以下、パネル材)の製造・販売を行う新会社「神鋼汽車鋁材(天津)有限公司 」を設立することを決定した。資本金は4.5億人民元(約75億円)、設立は2014年初頭、2016年稼動予定、生産能力は年間10万t。

 新会社は、日系アルミ圧延メーカーでは初めての、中国におけるパネル材の現地生産拠点となる。真岡製造所から冷間圧延後の母材を供給し、現地では熱処理、表面処理などの精整工程を行う。

 同社は、1980年代に日系自動車メーカー向けに初めてパネル材を納入して以来、日本市場を中心に販売を行ってきた。この結果、同社は日本のパネル材市場において50%強のシェアを有しているという。同社はパネル材について、独自の材料開発や熱処理などの生産技術に加え、アルミに適した形状設計や加工のノウハウなどを有しており、日系自動車メーカー以外にも、欧米系自動車メーカーからも高い評価を受けている。

 今回進出を決めた中国は、世界最大の自動車市場であり、その生産台数は今後10年間で5割程度増加すると見込まれている。加えて、大気汚染等の環境問題を契機として燃費規制が一層強化されており、自動車軽量化ニーズが高まっている。このため、中国市場におけるパネル材の需要は、今後急速に拡大する見通し。

 現在同社は、中国市場へのパネル材の供給を真岡製造所からの輸出で対応している。しかし、日々増大する自動車メーカーからの現地供給要請に応えるためには、現地生産化が必要と判断し、今回の決定に至ったもの。

 同社は、本年6月に欧州のアルミ圧延大手HYDRO社とパネル材に関する技術協力契約を締結した。これに続く、今回の中国拠点設立により、世界的に伸長するパネル材の供給体制を強化する。