NTNは、同社開発のインホイールモータシステムを搭載した超小型電気自動車(EV)の公道での実証事業をフランスのアヌシー市と共同で開始した。
同社は、これまでもアヌシー市におけるNTN-SNR社内、工場間の移動や試乗用として、小型EVを活用していたが、今回、新たに開発した超小型EV「TOO'in(トゥーイン)」をアヌシー市の公用車として貸与し、より大規模な公道での社会実証事業を1年間にわたり実施する。
実証事業に使用する超小型EV「TOO'in」は、同社が開発した「小型EV用インホイールモータシステム」を搭載した2人乗りで、最高時速75kmで走行可能。ボディは、車両製造のラザレス社(アヌシー市)が製作し、欧州の電動マイクロカーの公式規格である「L7e」カテゴリーの登録を行った。インホイールモータ搭載の超小型EVによる登録車両としての公道実証は世界で初めてだという。
同社は、ベアリングの研究・開発で培った技術や、ハブベアリングで世界No.1シェアの強みを活かし、インホイールモータシステムをはじめ、EVや環境対応車などの次世代自動車向けシステム商品の開発を進めている。日本国内では、静岡県磐田市でコンバートEVの社会実証実験を進めており、さらに国土交通省が本年から創設した「超小型モビリティ認定制度」に対応する電動コミュータ車両の実証事業を計画している。
次世代自動車の開発・事業化において、より先進的な欧州における実証事業を先行して行うことで、EVシステム商品の実用化に向けた最先端技術の開発を加速させるとともに、超小型モビリティの早期普及に向けた活動を加速させる。