島津製作所( http://www.shimadzu.co.jp/ )は、プラズマ技術を用いた高感度ガスクロマトグラフシステム「Tracera(トレイセラ)」の販売を開始した。
同システムは同社社が新開発したバリア放電イオン化検出器(BID)を搭載し、He(ヘリウム)とNe(ネオン)以外のあらゆる微量な有機化合物・無機化合物を0.1ppm(サブppm,ppmは100万分の1)レベルの高感度で検出できる。従来、用途に応じて様々な検出器により対応していたガスクロマトグラフによる高感度分析の多くを本システム1台でカバーし、シンプルで高感度な分析を実現する。
従来のガスクロマトグラフの汎用検出器としては、熱伝導度検出器(TCD)と水素炎イオン化検出器(FID)がある。TCDはキャリアガス以外のあらゆる無機および有機化合物を検出できるものの感度が不充分、FIDはppmレベルの微量成分を検出できるものの有機化合物(ホルムアルデヒド、ギ酸を除く)しか検出できないという問題点があり、検出する目的成分に合わせて様々な検出器を組み合わせるなど、複雑な構成を持ったシステムによる分析が必要だった。
同社はこうした課題を背景に、プラズマ検出技術の基礎検討を行い、感度安定性や検出濃度範囲向上のための改良を重ねることによって、有機化合物、無機化合物のいずれも高感度に検出し、かつ耐久性にも優れたバリア放電イオン化検出器(BID)の新型検出器の開発に成功した。