日本精工(NSK、 http://www.jp.nsk.com/ )は、新興国の自動車向けに、荒れた路面で耐久性を高めつつ、ハンドル操作のしやすいコラムタイプ電動パワーステアリングシステム(EPS)用として「高耐久・高剛性スライダブル中間シャフト」を開発した。
同品は、スライド嵌合部のサイズアップと噛(かみ)合い歯数を増やすことで、歯面に加わる力を低減して、耐摩耗性を向上させた。また、スライド嵌合部のサイズアップと噛合い歯数を増やすことやインナーシャフトのサイズアップにより剛性を高めている。さらに、高出力コラムタイプEPS用としては世界で初めて、インナーシャフトを中空化し、従来品同等のサイズで軽量化も同時に実現している。
スライド嵌合部のカット写真(左)、スライド嵌合部の断面図(右)
インナーシャフト表面には樹脂をコーティングし、潤滑性能が優れるグリースを採用することで、スライド嵌合部の摩擦を低減させた。またスライド嵌合部のサイズアップと噛合い歯数を増やすことにより、歯面に加わる力を減らし、スライド抵抗を大幅に低減させた。これらにより、悪路走行時に、中間シャフトがスムーズにスライドして振動を吸収し、路面からハンドルに伝わる不快な振動や異音を低減した。