不二越( http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/ )は、エネルギー・インフラ分野における中大型歯車の加工工程を集約することで、多品種少量生産への対応、設備コストの削減、工場の省スペース化を実現する「ギヤシェープセンタ」を開発した。
新興国市場では、インフラ投資や電力需要の拡大に伴い、建設機械や発電機などに使われる中大型歯車の需要が増加している。歯車は、旋盤(旋削)、マシニングセンタ(穴あけ等)、ギヤシェーパ(歯切り)の3種類の工作機械を用いて加工されるが、生産現場からは、多品種少量生産への対応、コスト削減、省スペース化、高精度化に向けた機械の複合化ニーズが高まっている。
今回、旋削、穴あけから歯切りまで、歯車加工に必要な三つの工程を1台の工作機械に集約し、大幅な設備コストの低減を可能にした工程集約型歯車加工機 ギヤシェープセンタを開発した。工程を集約することで、従来の加工方法に比べ、以下の優位性を発揮する。
- 低コスト化に対応
従来のギヤシェーパと同程度のコストにおさえることにより、機械導入時のイニシャルコストを従来比30%低減する。 - 省スペース化を実現
3種類の工作機械を設置するために必要な設置スペースを57%削減する(床面積47m2→20m2)。 - 多品種少量への対応
ワークの変更による治具や刃具などの段取り替え時間を大幅に短縮。さらに、すべての加工をワンチャックで実施することにより、ワークの着脱時間が短くなり、工作機械間のワーク搬送時間も無くなるため、段取り時間を85%短縮することができる。 - 加工精度の安定化
ワンチャック加工により、芯出し作業が不要になり、安定した加工精度を維持できる。また、分割テーブルには当社の高精度クロステーパドローラベアリングを採用し、分割精度と回転速度を両立した。 - 省エネ化
3工程を1台に集約したことで消費電力や油脂類の低減につなげ、さらに当社開発の省エネタイプコンパクト型可変ポンプユニット搭載により、消費電力を従来比44%低減した。