日立製作所( http://www.hitachi.co.jp )は、洋上風力発電システムの大型化ニーズに対応するため、ダウンウィンド方式の特徴を生かした5MW級ダウンウィンド洋上風力発電システムの開発に着手したと発表した。
今回同社が開発する5MW級ダウンウィンド洋上風力発電システムは、経済性を向上するため、風力発電システム全体を軽量化するなど、新技術を投入し高性能・高効率の風力発電システムを開発する。2014年度から実証試験を開始し、2015年度の販売開始を目指す。
また、今回の開発に加え、今後、需要の増加が見込まれる、低風速域対応の2MWダウンウィンド陸上風力発電システムの開発も行う。
同社が風力発電システムで採用しているダウンウィンド方式は、丘陵地帯など吹上風が吹く地帯での発電量が多くなることが特徴で、浮体式洋上風力の場合、この特徴が大きく生かされるため、注目されている。
また、着床式洋上風力では、風見鶏効果により風荷重が低減されるため、基礎工事コストが低減できる。着床式洋上風力として納入した風力発電システムが、東日本大震災に耐えたという信頼性の高さも同社の風力発電システムの特徴。
浮体式洋上風力では、環境省で実施している100kWの実証試験を五島列島で開始しているほか、経済産業省が福島県沖での実証試験も計画しており、今後、洋上風力発電システムは、着床式・浮体式ともに市場が伸びることが期待される。同社は、これらの実証試験に参画するとともに、着床式・浮体式両方に適した風力発電システムを開発していく。