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第02回『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

 ガソリンが、ばか高い。昨年来、原油高から150円台で推移してきて、暫定税率の期限切れで120円台半ばになったのも束の間、暫定税率(どこが暫定だ!)の復活で160円台に急騰したと思ったら、いまや180円台だ。中古車買取専門フランチャイズ、ガリバーの調査では、このままガソリン高が続くようなら売却を検討するという層が5割を超えたとか。
ガソリンと電気を併用したハイブリッド車「プリウス」が累計販売100万台を突破したが、燃料消費が少ないからとそれに買い換えるほど、まだまだお手頃価格とは言えない。

 さて、クルマの燃料で思い出すのはスピルバーグ製作総指揮、ロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。ドク(エメット・ブラウン博士)が開発した「デロリアン(DMC-12)」型タイムマシンはプルトニウムを燃料に動くが、主人公のマーティン・マクフライが飛んだ先、1955年にプルトニウムを入手することはできず、燃料切れで元の時代に戻れない。そこでマーティンとドクは体を張って、プルトニウムに匹敵する時計台に落ちる雷のエネルギーを拾ってどうにか現代に戻る。しかしその後未来に飛んだドクとともに戻った改造デロリアンは、なんとそこいらのゴミを放り込んで動くのである。なんて荒唐無稽な、と当時は思っていた。

 ところが最近、アメリカの自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が農業廃棄物や都市ごみ、産業廃棄物などからエタノールを生産する技術を開発したコスカタ社と提携する、との発表があった。GMやフォード、クライスラーなどは近年、ガソリン価格の高騰と燃料効率基準の厳格化に対応する戦略的な選択肢として、エタノールとかいろんな燃料が使える「フレキシブル燃料車」を推し進めている。そういえばデロリアンはGM出身者が作ったクルマだったっけ。

これからは、金のかからない燃料で走れないクルマは売れなくなっていくのかも。ともあれ、ゴミ燃料に一票!