新日本製鐵( http://www.nsc.co.jp )は、君津製鐵所で高耐食性めっき鋼板「スーパーダイマ」の生産能力拡大を目的とした投資を完了したと発表した。投資額は約30億円。クロメートフリー処理対応を含め、スーパーダイマの生産能力を最大で約3万t/月拡大した。
スーパーダイマは、表面に亜鉛を主成分に、約11%のアルミニウム、約3%のマグネシウム、微量のシリコンからなる合金めっきを施し、従来商品(溶融亜鉛めっき鋼板)と比較して優れた耐食性を保有する高耐食性めっき鋼板。2000年に販売を開始し、後めっき・後塗装代替やステンレス・アルミ代替として、これまでにプレハブ向けの住宅資材、各種フォーミング製品、防音壁等の土木建築用途を中心に、電機・自動車向け用途も含めて幅広く使用されてきた。
特に近年では太陽光発電設備用架台向けの採用が拡大しており、すでに電力会社向けメガソーラー(大規模太陽光発電設備)での採用事例は約55メガワット(MW)分に達しているという。従来、太陽光発電設備用架台の設計仕様には後めっき鋼板が織り込まれていたが、スーパーダイマは耐食性の高さや後めっき時の熱変形を考慮しなくてもよいという利点から派生する薄手軽量化(コストダウン)が可能となる。同社では今後、こうした特性を活かした用途拡大を目的に、電力会社やエンジニアリング会社へ提案していく。
太陽光発電架台使用例