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川崎油工、名古屋大学からCFRP向け大型プレス成形システムを受注

 川崎重工グループの川崎油工は、名古屋大学の次世代複合材技術確立支援センター(NCC:National Composite Center)から、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)向けの大型プレス成形システムを受注した。受注金額は約9億円で、2013年3月に完成の予定。

 今回受注した成形システムは、量産化システムの開発を目的としており、最大3m×2mの大型部品成形に対応できるよう最大出力35000kNを有するとともに、アキュムレーター(ACC)ドライブ制御によって高速成形を可能とした大型油圧成形プレス、材料供給設備としては世界初となる炭素繊維と熱可塑性樹脂を直接混練射出することができるLFT-D(Long Fiber Thermoplastics Direct)装置、熱可塑性樹脂を400℃まで短時間で加熱可能な遠赤外線(IR)ヒータ、熱硬化性樹脂の供給装置(RTM注入機)、金型の温度を制御するための各種温度調節装置、熱源となるボイラーや型内の空気を排出するための真空脱気装置などから構成されている。

 同成形システムでは、LFT-D装置を活用した熱可塑性CFRP成形が可能になることで、熱可塑性CFRPの成形コストの低減、生産タクトの短縮が期待できるとともに、IRヒータとRTM注入機を組み合わせているため、部品の形状や強度、コストに応じたCFRP成形技術の選択・実証が可能となる。

 NCCは、産学官の連携によるCRRP成形技術の研究開発を目的に今年4月1日に設立。今回の「大型複合材プレス成形システム」を導入することにより、これまで海外でしか実施できなかった実物大のCFRP成形技術の実証・評価が可能となり、NCCで確立した製造技術を生産現場に直結させることができるという。


大型複合材プレス成形システムのイメージ図大型複合材プレス成形システムのイメージ図