三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は4月1日付で、搬送システム事業やゴム・タイヤ機械事業などを担う新会社「三菱重工マシナリーテクノロジー」を発足した。三菱重工業の機械・鉄構事業本部の事業と、エムイーシーエンジニアリングサービス(MEC)など既存グループ会社3社を統合してスタートする。これにより、厳しい市場環境の変化に対応した俊敏で強靭な事業体制を構築、事業の強化と収益基盤の安定化を図っていく。
新会社は、機械・鉄構事業本部の事業を会社分割により三菱重工業100%出資子会社のMECに承継させると同時に、広島菱重エンジニアリングとリョーセンエンジニアズを統合して同日付で発足、商号を変更して営業を開始する。資本金は10億円。本社を広島市西区に構え、搬送システム、ゴム・タイヤ機械のほか、製鉄機械上流設備、化学機械、その他製品の販売・設計・製作から据付・アフターサービスまでを手掛ける。発足時の従業員数は約800人。社長にはリョーセンエンジニアズ社長の飯田和男氏が就任する。
新会社は、搬送システムやゴム・タイヤ機械の生産の海外シフトを推進する一方、国内は営業・エンジニアリングの拠点として体制強化を図っていく。また、製鉄機械上流設備は開発に注力し、関連装置の製品化を加速。化学機械は設計強化を実現して、大型の化学機械や熱交換器の製造を拡大していく。
MECは搬送システムのアフターサービスを中心に制御系製品や海洋関連製品などを営んできたエンジニアリング企業。また、広島菱重エンジニアリングはゴム・タイヤ機械や大型製缶品の溶接・組立などを、リョーセンエンジニアズは搬送システムなどの詳細設計や構造設計などをそれぞれ手掛けてきた企業で、いずれも三菱重工業の100%出資子会社。
機械・鉄構事業本部の広島地区では、これまでに主力製品である製鉄機械を2000年に、また、コンプレッサを2010年にそれぞれ本体から切り離して事業会社化するなど、連結経営を推し進めてきた。今回の新会社発足はこれらに続くもので、三菱重工業とグループ会社に分散していた諸機能を統合、重複業務を廃して、スピーディで効率的な事業の展開を目指していく。