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デンソー、従来製品から約40%の軽量化を達成したスターターを開発

デンソー「重量1.9kgのスターター」 デンソー( http://www.denso.co.jp )は、四輪車用としては世界最軽量クラスとなる重量1.9kgのスターターを開発、スズキから本年1月に発表されたMRワゴンに搭載された。

 スターターは、エンジン始動の際にスターター内のクラッチを押し出し、その先端のピニオン(スターターの回転をエンジン側に伝えるためのギヤ)をエンジンのリングギヤに噛み合わせて動力を伝える。エンジンの始動時のみに作動し、それ以外は作動することがないため、従来から小型軽量化がスターターに対する技術開発上の最大の課題だった。

 これまでスターターは、モーター部分を小型化することにより製品全体の小型軽量化を図ってきた。しかし、それ以外の部分については、駆動部分の内部にあるクラッチとピニオンが一体となっており、これらがエンジン始動時にスターター内で移動して車両側のリングギヤと噛み合うため、それを動かすためのスイッチ部分についてもある程度大きな力が必要となり、結果、駆動部分、スイッチ部分とも小型化が進んでいなかったという。

 今回、駆動部分にあるクラッチとピニオンを分離し、ピニオンのみでリングギヤに噛み合わせる「ピニオンシフト構造」を新開発した。従来、駆動部分のクラッチとピニオンの両方を動かす必要があったものを、ピニオンだけを動かすことが可能となり、それにより移動部分が約70%軽量化され、噛み合いに必要な力も低減され、スイッチ部分の小型軽量化が可能となった。その結果、全体で約40%の軽量化を達成した。

 今回開発したスターターは、小型化軽量化を追求したコンパクトカー向けのものであり、軽自動車クラスから1.2Lクラスのガソリン車まで対応が可能となっている。また、同時に開発した、従来製品から約30%の軽量化を達成した重量2.1kgのタイプは、1.2から2.5Lクラスの車輌まで対応可能となっており、今後は、中国、タイ、ブラジル、インドなど、小型ガソリン車の市場である地域へも展開し、両モデル合わせて年間500万台の生産を目指す。