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三菱重、米にガスタービンの組立工場を建設

 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、米国ジョージア州にガスタービンの組立工場を建設する。年内に着工し、2012年上旬に竣工する予定。同じ敷地内で先行した燃焼器工場およびローター・サービス工場の建設に続くもので、これにより、今後、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の大幅な需要増が見込める北米で、為替に左右されない生産・サービス拠点を構築して、一層の事業拡大を図っていく。

 組立工場は、同社原動機事業の米国拠点である三菱パワーシステムズ・アメリカス(MPSA、本社フロリダ州)が建設・運営する。敷地は同州サバンナ近郊の約40万m2で、組立工場の建屋面積は約 6,000m2

 敷地内には、2009年末に着工した燃焼器工場の建屋がこのほど完成、2010年初頭に着工したローター・サービス工場の建設が続いている。三菱重工業はこれら一連の投資によりガスタービンの米国生産拠点を確保して、拡大する北米市場でのプレゼンス向上をはかっていく。

 今回建設するのは、ガスタービン本体の組立を行う工場で、効率的なガスタービン組立ステーションのほか、車室置き場、部品受入れ場、物流センターなどを備える。

 同社はさらに、ガスタービンの中核部品であるローターの加工工場の建設も検討しており、このサバンナ工場で、ガスタービン、蒸気タービンの中核部品の製造、本体の組立から、ガスタービン、蒸気タービンのローターをはじめとする大物部品の補修・改良まで、幅広い生産・サービス体制を段階的に整備していく方針。

 米国では、老朽化した石炭焚き火力発電所に代わる新たな電源の確保が広く必要となっている。これに、同国に大量に存在するオイルシェールから天然ガスを抽出する技術が開発され、天然ガス価格が低位に推移しているという事情も加わって、GTCCへの関心が急速に高まっている。サバンナ工場の建設・整備は、これら米国の市場動向を睨んだもの。

 GTCC発電設備は、ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電する方式。エネルギーの有効利用とCO2の排出削減が可能で、省エネルギーだけでなく、環境保全にも大きく貢献する。

 三菱重工業はGTCC発電設備を国内外で多数納入し、技術・実績両面で広く市場の信用を獲得している。これからも、米国生産拠点の確保により、北・中南米はもちろん全世界で、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に役立つ天然ガス焚きGTCC発電設備の受注活動をさらに積極的に展開していく。