森精機製作所( http://www.moriseiki.co.jp )は、入曽精密、東京大学、微細工房と共同でサブミリオーダーの部品を容易に扱える「マイクロ・パーツ・ハンドリングシステム」を開発した。
同システムは、微細加工機などで製造された部品をCCDカメラで撮影、モニタを通して観察しながら、手元のハンドルでハンドを操作することによって、微細な製品を搬送したり、組立てたりすることができる機器。従来手作業に頼っていた微細な部品のハンドリング能力を大幅に向上し、量産性の向上や仕上げ工程の大幅な効率化を実現する。
ハンドを通して微細な部品を扱うことは手作業に比べ自由度が奪われるが、本機器では、可動軸の軸数を増やし、独自の構造を採用することによって、自分自身の手で動かすかのように使いやすく自然に操作することができるという。
微細な部品を扱う機器では、各部品の歪みや結合部の緩み・ガタツキが機器全体の性能に大きな影響を及ぼすため、ハンドの動作には、高い精度が求められる。本機器では、駆動機構や構成部品に超精密加工機などを用いて製作した高精密な部品を採用することにより、ハンド動作端での正確な動作を実現した。また、微細な部品は把持したり離したりする際には部品に変形や傷が生じることもあるが、ハンドの先端形状に作業目的に合わせた掴みやすさ・離しやすさを追求した。