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『トコトンやさしい表面処理の本』 仁平宣弘著

 表面処理の目的は、従来の基材の保護や機能性向上を図ることと、従来の基材とは異なった機能を課せることの二つに分けられる。また、一つの要求だけでなく複数の要求を満たすために、一つの製品や部品に対して数種類以上の表面処理が複合的に組み合わされている例も多い。

 本書は、機械部品に利用されている表面処理の役割と効果を平易に解説した入門書として最適な一冊。表面処理の技術解説のみならず、それぞれの処理によって得られる効果について述べるなど、ユーザーにも分かりやすい内容となっている。また、表面処理に付随して行われる「表面処理のための表面処理」では洗浄と加工を取り上げ、それぞれの材料・加工方法によって得られる利点や欠点などを併記することで、表面処理の前にすべきことのヒントが得られるようになっている。

 このほか、「水を利用する表面処理」、成膜において代表的な処理技術である「PVDとCVD」、「熱を利用する表面処理」、「非金属被覆処理」といった内容にも章を割いており、ユーザーだけでなく表面処理メーカー新入社員の教材としても役立つ一冊に仕上がっている。

 A5判、159頁。定価1,470円(本体価格1,400円)。日刊工業新聞社発行