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産総研、集光型太陽光発電システムの日米共同実証実験を開始

CPVシステムの仕組みと日本サイトの完成予想図 産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )は、米・国立再生可能エネルギー研究所(NREL)と共同で、日米両国で同一の集光型太陽光発電システム(以下CPVシステム)を設置し、発電性能の実証実験を開始する。

 CPVシステムは、レンズを用いて自然太陽光を500倍以上の光強度に集め、小面積の超高効率多接合型太陽電池によって発電する効率のよい発電方式。しかし、天候、特に快晴率や太陽光スペクトルの影響を大きく受けるため、今回の実証実験では、快晴率が高く乾燥した米国サイト(コロラド州オーロラ市)と温暖湿潤な日本サイト(岡山市京山)にCPVシステムを設置して、気候の違いが発電性能に及ぼす影響を比較する。

 また、日米独3カ国で製造された性能の異なる多接合型太陽電池3種を搭載し、CPVシステムの発電量を正確に予測する評価方式を開発し、国際的整合性のある測定技術を確立・標準化すること、さらにCPVシステムおよび集光型高効率太陽電池の普及拡大を目指す。

今回の実証実験に用いるCPVシステムは、500倍の集光レンズ付きの集光型高効率太陽電池2,400個を使い、最大出力が約15kWの系統連系型システムだが、このシステムを2サイトそれぞれに2基ずつ設置する。システムで使用する集光型高効率太陽電池モジュールの発電効率は28%であり、一般的な結晶シリコン形太陽電池モジュールの約2倍である。

 わが国は遊休な平地に乏しいために、メガワット級大規模太陽光発電システム(メガソーラー)の適地が少なく、これまで太陽光発電システムの普及は住宅用を中心に進んできた。CPVシステムは1本の支柱に据え付けるために基礎に要する面積が小さく、平地だけでなく丘陵地にも設置することができる。今回、国内で初めてCPVシステムを丘陵地に設置することによって、丘陵地への設置工法も実証する。