アマダ( http://www.amada.co.jp )は、欧州におけるエンジニアリング機能強化の一環として新たにテクニカルセンターを併設するアマダイタリア(AI)の新社屋を建設した。これを機に欧州向けとして開発した新製品・新技術を投入、顧客開拓に向けた新たな営業活動を展開していく。
新社屋はミラノの南約80kmのピアツェンツァ市近郊に建設された。約15,200m2の敷地内には、機械本体のほか周辺装置やソフトウェアの展示が可能な1,800m2の広さを持つテクニカルセンターや、エンジニアリング提案活動のための個別ルームやホールを含む5,500m2のオフィス棟、それに1,300m2の倉庫があり、延べ床面積はおよそ8,600m2。投資額は用地取得費も含めて約1,200万ユーロ。
板金加工機械の市場規模はピーク時、世界で1兆円(2007年度)。そのうち2分の1を占めるのが5,000億円市場の欧州。欧州は板金加工機械の巨大市場であり、ドイツやイタリアに板金加工機械メーカーがひしめき、激しいシェア争いを展開している。
今回のイタリアテクニカルセンターの開設で、市場が要求する機械本体、周辺装置、制御機器、ソフトを一括供給・提案できる組織と施設で欧州南部でのシェア拡大を目指す。
新社屋で業務にあたる社員数は、同居するアマダ エンジニアリング ヨーロッパを含め、全体で130人。体制の強化を背景にアマダは欧州市場での3年後の売り上げ目標額を、現行の1.6倍の400億円に設定するとともに、イタリアでの売り上げを現行の約2倍の70億円に拡大する。
また、同社は、ベトナム・ハノイに板金、切削商品の販売・サービスの拠点となるテクニカルセンターを開設。これを機に中古機やメンテナンスサービスビジネスに加え、新興国向けとして開発した新製品・新技術を投入、ソフトや周辺機器も付加した総合的ソリューション事業を強化し、顧客開拓に向けた新たな営業活動を展開していく。
ハノイテクニカルセンターは約275m2の2階建て建物の1階にNC化されたプレスブレーキ「RG-M2」や周辺装置付きのレーザ加工機「FO-MⅡNT」などを展示。2階にはアマダベトナムの新事務所のほか、個別商談ルームやソフト操作のトレーニングルームがあり、顧客教育も対応可能になっている。
ハノイテクニカルセンターのオープンで、市場にある中古機の点検、部品供給などの保守・サービス業務のほか、周辺装置や金型・ソフトを含む新規機械、システムの提案が可能になるという。