トヨタ自動車( http://www.toyota.co.jp )は、アクセルペダルの不具合に関する米国のリコール対象車8車種と、ブレーキが瞬間的に利かなくなるという苦情のあるハイブリッド車「新型プリウス」に関し、改善措置の内容を決定し発表した。
アクセルペダルの不具合は、同社のRAV4(09-10MY)、カローラ(09-10MY)、マトリックス(09-10MY)、アバロン(05-10MY)カムリ(07-10MY)、ハイランダー(10MY)、タンドラ(07-10MY)、セコイア(08-10MY)の8モデルが対象。アクセルペダル内部のフリクションレバー部が摩耗した状態で、低温時にヒーターをかけることなどで当該部分が結露すると、最悪の場合、アクセルペダルがゆっくり戻る、または戻らないという現象が発生する可能性があるもので、同社では米国時間1月21日に、リコールを行うことを決定した。これに対する改善措置として同社では、アクセルペダル内部にスチール製の強化板を挟むもので、これによりアクセルペダルの不具合の原因となるフリクションレバー部とペダルアーム部の接点に隙間を設けるとともに、ペダルの戻る力となるバネの反力を強化する。米国で改善措置の実施準備が整い次第、各販売店での作業を開始する予定で、欧州や中国、その他の国・地域でも、同様の改善措置を実施する方針。
プリウスのブレーキの不具合は低速で滑りやすい路面などを走行中に、一時的にブレーキが利かなくなるというもの。ブレーキを軽く踏んだ状態で、車輪のロックを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機構が作動すると油圧ブレーキの利きが遅れる可能性があるという、ABS制御ソフトの問題としている。米国ではリコールし、日本では欠陥の有無にかかわらず無償回収する自主改修制度を使う方針。
2月5日に開かれた記者会見で豊田章男社長は、社長をヘッドとする委員会での具体的な改善施策として以下のとおり打ち出した。
(1)今回のリコールに至った要因を検証しながら、「設計品質」、「製造品質」、「販売品質」、「サービス品質」の全工程において、再度間違いがなかったか点検を実施する。
(2)各地域でのユーザーからの情報収集と現地現物を充実すべく、技術分室を増強する。
(3)品質管理のプロを育成すべく主要地域において「品質教育機能」(Automotive Center of Quality Excellence) を設置する。
(4)外部から選ばれた専門家から上記改善を組み込んだ新たな品質管理のマネジメントについて、業界のベストプラクティスに沿った内容で確認・評価してもらう。
(5)同社と各地域当局とのコミュニケーションの頻度をさらに高めていく方策をとる。