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新日石など6社、「バイオエタノール革新技術研究組合」を設立

 新日本石油( http://www.eneos.co.jp )、三菱重工業、トヨタ自動車、鹿島建設、サッポロエンジニアリング、東レの6社は、食料と競合しないセルロース系バイオエタノールの一貫製造技術に関する研究開発を開始するため、2月下旬をメドに「バイオエタノール革新技術研究組合」を設立する。

 バイオ燃料は地球温暖化対策の重要な手段の一つとして、わが国でも2005年に閣議決定された京都議定書目標達成計画で、2010年度までに輸送用燃料として原油換算で50万kL/年導入することを目指している。

 一方、バイオ燃料の導入促進では、エネルギー安定供給の観点から原料調達の安定性の確保、コストダウンと価格安定性の確保が不可欠なのに加え、食料との競合や森林等の生態系破壊の防止という大きな課題をいかに克服していくかが極めて重要。また、京都議定書上ではバイオ燃料はカーボンニュートラルとして扱われているが、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から実際の二酸化炭素削減効果を評価していくことも必要とされる。

 こうした状況を踏まえ、食料と競合しないセルロース系バイオエタノール製造の各工程における要素技術を保有する6社が、経済的で多量、安定的な製造技術の確立に向けた技術研究組合を共同して設立することを決定したもの。

 本研究組合は、原油と競合できる価格(40円/L)で、20万kL/年規模を生産できる製造プロセスの技術を2015年までに確立することを最終目標として、バイオマス資源に関する先端的な研究拠点である東京大学との共同研究や、農林水産関係研究機関(農業・食品産業技術総合研究機構、森林総合研究所)、秋田県農林水産技術センター総合食品研究所、北海道大学等との連携により、画期的な革新技術の確立を目指す。研究組合の概要は以下のとおり。

(1)理事長:松村幾敏・新日本石油副社長

(2)所在地:東京都文京区本郷7-3-1 東京大学アントレプレナープラザ内

(3)設立日:2009年2月下旬(予定)

(4)事業内容:a.エネルギー植物の生産技術開発、b.前処理・酵素糖化・発酵・濃縮脱水のプロセス技術開発、c.一貫製造プロセスのベンチ実証試験(25kL/年)

(5)研究開発体制:東京大学と共同研究、農林水産関係研究機関(農業・食品産業技術総合研究機構、森林総研)、秋田県農林水産技術センター総合食品研究所、北海道大学などと連携。

(6)期間:2008年度末?2013年度(約5年間)

※セルロース系バイオエタノール一貫製造技術:エネルギー植物生産技術、前処理・酵素糖化・発酵・濃縮脱水技術や、各工程を繋ぎ合わせる上で必要な技術等、様々な技術の複合体。