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IIFES 2025記者発表会を開催、展示会の見どころを発表
日本電機工業会、日本電気制御技術工業会、日本電気計測器工業会の主催により11月19日~21日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「IIFES(アイアイフェス)2025」(https://iifes.jp/)に関して、11月7日に記者発表会が開催され、IIFES実行委員会実行委員長の髙栁洋一氏(東芝インフラシステムズ)から、展示会の見どころが紹介された。
IIFESは、日本を代表するオートメーション総合展「システム コントロール フェア(SCF)」と国内最大級の計測と制御の専門展示会「計測展 TOKYO」が、2019年に一つの展示会となり誕生、4回目を迎える今回は、「ものづくりの未来が集う―革新・連携・共創―」をテーマにリアル展のみで、初出展52社・団体を含む914小間/227社・団体の規模で開催される。
製造業と社会インフラを支える技術と情報が集結する今回のIIFESでは、要素技術からソリューションまで、計測・制御・駆動に関わる最新の技術・サービスの披露はもちろん、意思決定層が多数来場する商談の場でもある。今回はまた、充実した主催者企画・セミナーが用意されている。
主催者企画セミナーは、現在抱えているものづくりの課題を解決・打開するために必要な革新的な技術を紹介することや、来場者や出展者に連携・共創を促進することを意識して、KEYNOTEセッションやテーマセッションを企画。
今回の注力分野である「製造業でのAI」「製造業DX」「OTセキュリティ」をテーマに、各種のセッションを企画。製造業のAI活用セッションでは「人と、地球の、明日のために。東芝が描く成長戦略とAIで変わるものづくりの未来」と題して東芝社長の島田太郎氏などが、製造業DX・データ活用戦略セッションでは「データ主導時代の企業戦略」と題して東京大学教授の森川博之氏などが、OTセキュリティセッションでは、「ルール重視からリスク思考へ:DX・AI時代のOTセキュリティ」と題してIPA 情報処理推進機構の青山友美氏などが登壇する。
スペシャルセッションとしては、NHKで放送中の超一流のエンジニアたちが極限のアイデアとテクニックを競う技術開発エンタメ番組「魔改造の夜」や「中国AI&スマート製造」をテーマとしたセッションも企画・実施。主催者企画展示として「魔改造の夜」スペシャルセッションで語られるモンスターマシンが展示される。
セミナーは「事前登録制・先着順・無料」。 セミナー日時等、セミナー詳細は公式サイトで確認できる(https://iifes.jp/seminar/)。
また、IIFESならでは特色として、デモ展示・実機を見て触れる「要素技術からソリューションまで」のリアル展示が227社からなされる(出展者検索ページ:https://iifes.jp/exhibitor/)。
髙栁洋一IIFES実行委員長は、「今回の“革新・連携・共創”のテーマのもと、本展では、地球環境問題や気候変動など世界的課題に直面する製造業における課題の解決の鍵となる生成AIやデジタルツインなどの最先端の革新技術、製造業の変革に重要なIT(情報技術)とOT(制御技術)の連携による全体最適による課題解決を提示。さらに、成長には業界や組織の枠を超えた共創が不可欠で製造現場でも従来は考えづらかった横の共創が進展してきているが、本展では、新たなエコシステムでの共創を提示する。IIFESならではの特長として、デモ展示や見て触れるリアル展示が多いことが挙げられる。IIFESの特徴でもある“工場環境を模擬した展示”もあって、要素技術からソリューションまで、会社の課題解決に役立つヒントが得られるものと思う。来場者にワクワクしてもらえる展示会として、2024年開催の前回展の4万2484人を凌駕する5万人の来場を目指す」と語った。
展示会のワクワク感を示したIIFES実行委員会の面々:右から2番目が髙栁実行委員長
パーカー熱処理工業、第18回表面改質技術研究会を開催
パーカー熱処理工業( https://pnk.co.jp/ )主催の「第18回表面改質技術研究会」が11月7日、東京都千代田区の日本工業倶楽部会館で開催、約200名が参加した。
当日はまず、パーカー熱処理工業の渡邊正高社長が「当研究会は2019年までは毎年開催されてきた。その後コロナ禍で中断していたが、皆さまからのご要望もあり、6年ぶりに開催する運びとなった。今回の講演のテーマは、環境保全もしくは環境にやさしい技術に焦点を当てている。その中で、最初の講演の熱処理分野では、CO2削減などに貢献している真空熱処理もしくは真空熱処理設備について最先端の技術を紹介すべく、当社のパートナーで世界的企業であるフランスのECM社から講演をいただく。二番目の講演は、将来のカーボンニュートラルに向けた究極のエネルギー源となるであろう水素および水素内燃機の講演を東京都市大学の三原雄司教授にいただく。最後の講演は、自動車分野を代表して、電気自動車(EV)を中心とした環境にやさしいクルマを手掛ける大手自動車メーカーのBYD様より、最新の情報とEV技術情報に関して講演をいただく。これらの講演を最後までお聞きいただき、皆さまの会社および仕事の参考にしていただければ幸いに思う」と開会の挨拶を述べた後、以下のとおり講演が行われた。
開催のようす「ECM furnace Innovation, Expanding Multi-Process Capabilities for advanced heat treatment.」Barthélémy Gros氏(ECM Technologies社)
本講演では、ユーザーニーズに応じて、浸炭、軟窒化、ろう付け、窒化、焼戻し、焼結といった熱処理を1台の設備で行えるECMの量産向け低圧浸炭処理設備「ICBP FLEX」について、EV部品への適用事例や納入したラインの例などをまじえて紹介した。雰囲気ガスを使用せず減圧下で浸炭処理を行うため、熱処理ラインからCO2ガスが排出されないため、地球環境にやさしい熱処理設備となっている。搬送室内に搬送ロボットが設置され、同一圧力で減圧制御された装置内をワークは、エアロックセル、加熱セル、油冷セル(ガス冷セル)とあらかじめ決められた処理条件のもと途切れることなく搬送され、連続生産が可能となっている。
講演ではまた、日本で最もニーズの多い装置サイズに対応するため、ワーク寸法1230×700×750mm、総重量800㎏を処理できる炉として、油冷方式の「ECO1277」を開発し、その初号機が本年日本で組み立てられ、パーカー熱処理工業の東松山工場に設置、ユーザー企業の依頼で試作やテストを実施していることが報告された。ECO1277はコンパクト設計の装置ながらICBP FLEXの性能を全て備えている。ECOの名のとおり、既存の雰囲気炉と同じインフラを利用して初期コストを抑えつつ大気圧下での浸炭処理を低圧浸炭に切り替えられるという、経済的メリットと環境改善メリットを強調した。
「カーボンニュートラルに向けた水素内燃機関の研究開発動向と摩擦損失低減や耐久性向上へのアプローチ」三原雄司氏(東京都市大学)カーボンニュートラル実現に向けて、NOx以外の有害物質(CO、HC、SOxなど)の排出がほぼゼロでCO2排出は基本的にはゼロの水素エンジンが、トラックや建機、船など電動化が困難な分野での利活用を目指す動きが欧州を中心に活発化しており、その状況が報告された。また、水素エンジンの課題として、機関性能に関しては、高負荷域におけるNOxの排出量の増加や水素特有の薄い境界層などによる高冷却損失=熱効率の低下という課題を、耐久性に関しては、排気ガスまたはブローバイ中の水分による腐食やオイル劣化、水素物性による水素漏洩や水素脆性への対策が必要という課題を提示した。
本講演では、シリンダ壁温を40℃から80℃まで変化させ、潤滑油中の水分量と成分変化を実験的に検証した結果、軽油と比較して水分量が17倍に増加し、油性状も変化することが確認されたことを報告。また、この凝縮水による潤滑油添加剤の劣化、水素特有の潤滑油性状と摩擦損失・焼付き特性の変化などの研究を紹介。さらに、エンジン油内に発生させたウルトラファインバブルが、クランクジャーナルとすべり軸受間の摩擦特性に与える影響をエンジン軸受試験機により検証し、エンジン油中のウルトラファインバブル密度とオイル粘度が摩擦低減効果に与える影響を調査した結果についても報告した。
「BYD の最新動向と日本での取り組み/BYD の取り組み バッテリー技術、SDV、新技術のご紹介」東福寺厚樹氏、三上龍哉氏(BYD Auto Japan)BYDは1995年に中国でバッテリーを祖業としてスタート、ブランドミッションとして「イノベーションの力で、より良い暮らしと社会の実現へ」を、ブランドビジョンとして「地球の温度を1℃下げる」を掲げている。事業領域は、ITエレクトロニクス、新エネルギー、自動車、都市モビリティの四つで、100万人(その内、技術者が12万人)の従業員を抱え、400超の都市112カ国・地域の6大陸で世界展開している。2024年には427万台を売り上げ、世界自動車販売台数ランキングで6位となっている。2022年以降はガソリンエンジンのみの車両生産を中止したBYDの強みとしては、バッテリーEV(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の二刀流経営があり、販売比率はそれぞれ、約4割、約6割で、それらの総称である新エネルギー車(NEV)の累計生産が2025年10月に1400万台に達した。
本講演では、日本法人が20周年を迎えており、すでに京都や札幌、横須賀などEVバスの多くの導入実績を持つことや、BYDのクルマづくりの哲学として「環境」、「安心」、「安全」があり、それらを具現化したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーやバッテリー熱マネージメントシステム、さらには高速道路での高速走行中に路面の穴などをリープする自動アクティブサスペンション技術などの先進技術を紹介した。
kat 2025年11月11日 (火曜日)