Aggregator
&新型コロナ支援【中部・近畿・中国 四国・九州】
&新型コロナ支援【政府・北海道 東北・関東 甲信越・首都圏】
&次世代自動車充電インフラ機器・設備
&材料相場表/有料会員のみPDFで公開
トライボコーティング技術研究会、ATF技術展示会を開催
トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)は8月28日、「第22回トライボコーティングシンポジウム」の開催に合わせて、「ATF(Advanced Tribo-Fair)2020 技術展示会」を開催した。
ATF技術展示会は異分野への進出、医工連携、高付加価値な表面創製に向け共創していくことを目的に開催。技術を科学する「テクニストガール」こと、声優の明里 瞳さんの司会進行のもと、パネルやサンプル展示、ショートプレゼンテーションによって、以下のとおり自社の技術をアピールした。
司会進行の明里さん島貿易は、創業110年を超える工業原材料の専門商社として化粧品から電子部品まで様々な分野で専門性の高い商品を供給し、国内・海外のネットワークを活かしグローバルなニーズに対応しているほか、試験研究、物流、情報システムの充実を図り、高品質な商品とサービスを目指して環境保全、安全性に配慮した活動を行っていることをアピール。同社が国内総代理店を務める英国PCS Instruments社製トライボロジー試験機として、「EHD油膜厚さ試験機」と「MTMトラクション試験機」、「USV高せん断粘度計」、「MPRマイクロピッチング試験機」の概要を紹介した。
島貿易の展示ブース東京電子は真空計、質量分析計、真空機器・部品、直流電源、パルス電源、高圧電源、高電圧半導体スイッチなどの製造・販売や研究開発・受託開発サポート、真空機器・電子機器・電源装置の受託開発を手掛けている。プレゼンテーションでは、HF(High Frequency)パルスの採用によりダイヤモンドライクカーボン(DLC)成膜中の膜品質を低下させるアーク異常放電、生産性を損なう低い成膜レートなどの実際に起こる問題を克服し、性能を向上させ高機能成膜を実現させる「アーク抑制型HiPIMS電源」について紹介した。
東京電子によるプレゼンテーションのようすナノフロンティアテクノロジーは、CNT複合材開発・太陽光吸収膜の開発を行っていることを紹介した。高度な微粒化、分散技術によって、要望に応じたCNT分散液の作製が可能なことや、この技術を応用して太陽光を吸収する黒色膜の開発を行っていることをアピールした。新機能材料の創製、超微粒化技術を通じて社会貢献を目指しており、開発品の用途開拓での共創を呼び掛けた。
ナノフロンティアテクノロジーのプレゼンテーションのようす池上金型工業はプラスチック射出成形用金型設計・製作やニッケル電鋳製品の製作、金型標準部品・特注部品ならびに機材の製造販売を手掛けているほか、精密特殊加工を得意とする企業であることを紹介。新規事業として近年、家庭用お手伝いロボットプラモデルキット「カデンナ」シリーズの開発・販売を手掛け、金型メーカーとしてB to Cへの展開が注目されていることをPRした。
池上金型工業の展示ブース
オプトスターは、独自の結晶仕入れルートと加工技術を駆使し、サファイア、石英ガラス、半導体、各種光学結晶材料を顧客の要望に応じた形状で販売していることを紹介。量産の基板では対応が難しいサイズ、方位、厚さなど各種のパラメータを満たす理想的なMEMS用や半導体用、光学用などの単結晶ウェハーを小ロットから供給できることをアピールした。
オプトスターの展示ブース
メカニカル・テック社は、企画・編集・発行を手掛けている表面改質&表面試験・評価の技術情報誌『メカニカル・サーフェス・テック』、“やわらかい物質”と計測・評価の技術情報誌『月刊 SoftMatter(ソフトマター)』、ベアリング&モーション技術の情報誌『bmt ベアリング&モーションテック』という技術情報誌と、各雑誌にリンクしたウェブサイトを運営していることを紹介した。
展示会終了後は、投票によって優秀な技術展示やプレゼンテーションに対して「技術展示賞」が選ばれた。プレゼンターを務めた東京都立産業技術研究センター開発本部 開発第一部 部長三尾淳氏から、「優秀技術展示賞」が東京電子とナノフロンティアテクノロジーに送られた。また、「技術展示賞」が島貿易などに贈呈された。
技術展示賞表彰式のようす
トライボコーティング技術研究会、第1回研究会・総会を開催
トライボコーティング技術研究会は8月28日、埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所 生物科学研究棟 鈴木梅太郎記念ホールで「令和2年度第1回研究会および総会」を開催した。
開催の様子当日は、大森 整会長(理化学研究所)の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。
・特別講演「マイクロアレイ・バイオチップを用いた検査システム」伊藤嘉浩氏(理化学研究所)…被験者の傍らで医療従事者が小型分析器などを用いてリアルタイムに短時間で行うポイントオブケア検査(POCT)システムとして開発した、光固定化マイクロアレイ型バイオチップを用いた多項目検査用システムについて紹介した。バイオチップ研究の歴史について解説した後、同氏が考案した光固定化を応用したタンパク質固定化法では、様々な有機分子、生体分子からウイルス、細菌までを安定して再現性高く固定化でき、臨床検体を用いての測定に利用できることを明らかにした。臨床に応用するために開発した装置は、微量採血(検体量20μL)、41項目を同時に30分で検査できる多項目・迅速測定、ELISA法を基本とした高い定量性、全自動測定による検査の簡便性、などの特徴を持つ。このため、アレルギーのスクリーニング診断から自己免疫疾患の診断、感染症免疫履歴の診断、さらには食品分析や環境分析、化粧品分析など広い分野で応用できるほか、将来的にはAI技術を使って光固定化マイクロアレイ型バイオチップ・システムを発展させ、さらなる精密診断と医療の発展につなげたいと述べた。
伊藤氏・会員講演「英国PCS Instruments社製トライボロジー試験機」藤田浩史氏(島貿易)…同社が国内総代理店を務めるPCS Instruments社は、インペリアル・カレッジ・ロンドンのトライボロジーグループの研究者により設立され、同社が設計・開発した潤滑油評価用試験機は、トライボロジー分野で世界的なシェアを持つ。本講演では、PCS Instruments社製トライボロジー試験機として、光干渉法により潤滑油・グリースの弾性流体潤滑状態での油膜厚さをナノオーダーで自動測定できる「EHD油膜厚さ試験機」と、幅広い転がり・滑り条件下における摩擦特性を全自動で評価可能な、ボールオンディスク、ピンオンディスクタイプのベンチトップ型試験機「MTMトラクション試験機」、せん断速度が106s-1~107s-1、温度40~150℃での計測が可能な全自動粘度装置「USV高せん断粘度計」、短時間でギヤ・カム・ベアリングなどのピッチング評価が可能な3点接触型疲労摩耗試験機「MPRマイクロピッチング試験機」の各々について、概要や試験機の仕様、試験の事例などを紹介した。たとえばEHD油膜厚さ試験機を用いた試験では、基油のみの場合に比べて添加剤を入れた基油において、低速での著しい膜厚の増加があったことなどが示された。
藤田氏研究会に続いて総会が開催され、令和元年度 活動報告・会計報告がなされ、令和2年度 活動計画が発表された。役員改選では、会長に大森 整 氏(理化学研究所 主任研究員)、副会長に熊谷 泰 氏(ナノコート・ティーエス社長)と野村博郎 氏(理化学研究所 大森素形材工学研究室 嘱託)が再任された。
大森会長熊谷副会長
また、大森会長より「第13回岩木賞(トライボコーティングネットワークアワード)」について業績の募集ならびに表彰費用賛助の募集がなされたほか、東京都板橋区主催により同区内の小中学生を対象とした「いたばし未来の発明王コンテスト」アイデア募集の案内がなされた。
kat 2020年9月2日 (水曜日)NTN、複列磁気リングシリーズに小型サイズを追加
NTNは、薄型・軽量・高精度な角度検出センサシステムを構成できる「複列磁気リング」に、より小型なモータなどに対応する小型サイズの「32/31極対シリーズ」を新たに追加した。同社では、各種ロボット関節部、モータ、減速機、電動工具などの角度検出などへの提案を進めていく。
ラジアルタイプ(左:32/31極対シリーズ、右:64/63極対シリーズ)アキシアルタイプ(左:32/31極対シリーズ、右:64/63極対シリーズ)
2018年に販売を開始したラジアルタイプ・アキシアルタイプの「複列磁気リング」(64/63極対シリーズ)は、薄型・軽量・高精度かつ中空(大口径)形状の特長を活かし、ロボット関節部やモータなどの回転装置の角度検出などの用途で採用されている。
生産現場の自動化が進み、需要が拡大している産業ロボットや協働ロボットをはじめ、各種モータの様々な用途に向けて複列磁気リングの提案を進める中で、小型化に対応する商品への要望が多かったことから、今回、小型サイズ「32/31極対シリーズ」を新たに開発した。
32/31極対シリーズは、64/63極対シリーズの着磁技術を応用し、主トラックに32極対、副トラックに31極対を複列に着磁させ、高い角度検出精度を維持したまま、大幅な小型・軽量化を実現。64/63極対シリーズと比べ、外径は約1/2にサイズダウンするとともに、質量も既存の市販品(32/31極対)と比べ、約1/2に軽量化している。
また、専用の磁気センサICと組み合わせることで、最大19bit(分解能:約0.00068°)の高度な角度検出が可能で、従来シリーズと同様、磁気式のため振動・高温・塵埃・油ミストなどに対する環境耐性にも優れている。
さらに、小型サイズに加え、磁極ピッチ(磁石のN極とS極の間隔)31.5㎜、2.0㎜仕様(現行品は1.28㎜仕様)も新たに追加し、より幅広いサイズや仕様から選定できるラインナップとした。
あらゆる産業におけるロボット化、自動化が加速する中、NTNでは新たな事業領域の一つとしてロボット関連およびセンシング事業の強化を進めており、今後も本シリーズの商品ラインアップの拡充を図ることで、顧客のニーズにきめ細かく対応し、さらなる事業拡大を進めていく考えだ。
適用例:ロボット関節部の角度検出