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NTN、トランスミッション用超低フリクションシール付玉軸受を量産受注
NTNは、自動車のトランスミッション向けに開発した、高速回転条件下で低トルクと長寿命を両立する「超低フリクションシール付玉軸受」を自動車メーカー数社から量産受注した。
超低フリクションシール付玉軸受
同社では、今後開発・普及が進む電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)など、従来以上に高速回転が要求される車両に対して、高速回転下でもシールの発熱や異常摩耗等の損傷の心配なく使用できることなどをアピールしながら、2025年に25億円/年の販売を目指す。
本開発品は、新設計した接触タイプシールの採用により、低トルクと長寿命の両立を実現した商品で、回転トルクをシールなしタイプの軸受と同等レベルまで低減するとともに、シールにより軸受内部への有害な異物の浸入を抑制し、軸受寿命を確保する。
開発シールには、シールリップしゅう動部(軸受の内輪と直接接触するシール部)に半円弧状の微小突起を等間隔に設けたことで、回転時にくさび膜効果(潤滑油などの粘性流体が流れるすき間が狭くなる際に流体圧力が発生する現象)によってシールをわずかに浮かせ、回転トルクを接触タイプシール付の同社従来品比で80%低減させることに成功した。
また、同シールは異物の浸入を防ぐことで、シールなしタイプの同社従来品比で異物潤滑下寿命が5倍以上という長寿命化も実現している。このため、軸受自体の強度を高めて長寿命化を図った特殊熱処理品からの置き換えも可能となる。
さらに、シール周速50m/s以上を達成。これは接触タイプシールの同社従来品比で2倍以上となる、dmn値(軸受ピッチ円径(mm)×回転速度(min-1))換算で103万以上に相当する。
2017年の開発発表以降、顧客への提案を進めてきたが、低トルクと長寿命の両立に加え、従来品からの置き換えで高機能化を図ることができる点などが評価され、今回の量産受注につながったもの。
NTNでは、自動車の省燃費化や電動化が進む中、トライボロジー技術を駆使した本商品を提案・展開するとともに、引き続き顧客の課題解決に貢献する商品を開発していく考えだ。