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ブルカーナノ表面計測事業部、in-situ SEM用ナノ機械的特性評価装置をリリース
ブルカーナノ表面計測事業部はin-situ SEM用のナノ機械的特性評価装置「Hysitron PI 89 SEM PicoIndenter™」をリリースした。同社従来のシステムに比べ、SEM(走査型電子顕微鏡)内で、より高負荷で過酷な環境下での試験を可能としており、高強度な材料の変形メカニズムの理解に役立つ。同社の高性能コントローラーと独自のトランスデューサーおよび独自の変位コントロールテクノロジーを組み合わせることで、幅広い試験に対応する。
Hysitron PI 89 SEM PicoIndenter™
本システムは、2通りの取り付け方が可能なRotation Tilt(回転傾斜)ステージを備えた世界最初のin-situシステム。これにより、SEM観察を行う際のサンプル位置決め、ミリング用のFIBカラムへの傾き調整、結晶方位の向き調整のための回転や、複雑な材料の構造と特性の相関性の研究を可能にする幅広い検出器との互換性を実現する。
本システムはまた、自動測定、高速機械的特性マッピング(XPM)、疲労試験、ナノトライボロジー試験、Push-to-Pullデバイス(特許取得済み)を用いた薄膜およびナノワイヤーの引張試験、直接的な引張試験、SPMイメージング、電気的特性評価モジュール、高温試験(特許取得済み)、回転および傾斜ステージ(特許取得済み)、EBSD・EDS・CBD・TKD・STEMなどの分析技術との互換性を提供する。
kat 2020年10月27日 (火曜日)日本機械工具工業会、「令和2年度日本機械工具工業会賞」発表
日本機械工具工業会( http://www.jta-tool.jp )はこのほど、「令和2年度日本機械工具工業会賞」の受賞者を発表した。業界功労賞で坂戸瑞根氏(神戸製鋼所)、佐々木清吉氏(エフ・ピー・ツール)の2名が受賞したほか、技術功績大賞1件、技術功績賞2件、技術奨励賞3件、環境賞5件(環境大賞1件、環境賞1件、環境特別賞3件)が選定された。
業界功労賞■坂戸瑞根 氏(元神戸製鋼所)1934年生 86歳
【功績の内容】
坂戸氏は平成元年5月、日本工具工業会副理事長に就任。2期4年の任期の間、日本工具工業会の発展並びに会員の融和等に尽力した。工業会の運営にあたっては、理事長職を27年にわたり運営してきた大和田理事長をサポートした。当時の工業会は生産額・出荷額において最盛期を経験、しかし、その後、バブル崩壊となるなど工業会の運営にも大変苦労の多い時期であった。また、神戸製鋼所工具事業のトップとして、平成3年に画期的な商品であるミラクルエンドミルの商品化に尽力した。ミラクルエンドミルが起点となり、それから生まれた各社の派生商品は現在でも我々工具業界にとって重要な商品の座を占めており、氏の功績は大きく評価される。企業を退職してからは、JICA等から発展途上国の技術指導のため、海外にも出かけ、氏の永年にわたる技術力・経験を基に、発展途上国の産業発展の支援にも貢献した。
■佐々木清吉氏(エフ・ピー・ツール)1944年生 76歳
【功績の内容】
佐々木氏は平成19年6月、旧超硬工具協会監事に就任、また統合した平成27年には引き続き日本機械工具工業会の監事を歴任、通算10年両工業会の監事を務めた。特に、平成20年秋のリーマンショック後は監事の立場から理事会において緊縮財政の必要性をいち早く意見具申した。その結果、平成21年6月就任した倉阪克秀理事長による会費並びに事業内容の10%削減が打ち出された。厳しい環境下、協会運営の大幅な見直しなどが断行された。その一方、会員の増加や地区会員懇談会、委員会活動の活性化など一連の成果を上げることにつながった。また、協会賞、『生悦住賞』、『新庄(陰徳の士)賞』の運用に対する適切な提言を行うなど会計方法の近代化と基礎を築かれる等、協会活動の振興発展に尽力した。
技術功績大賞「スミボロンバインダレス工具シリーズの開発」
住友電工ハードメタル 東 泰助、原田高志、久木野 暁
【新規性】
・独自の大容量超々高圧焼結技術(10万気圧以上)により、超微粒BL-CBN(粒径:数百nm)に加え、新開発の超々微粒CBN(数十nm)からなるBL-CBNの量産技術を確立した(世界初)。
・従来CBN工具比5~10倍の刃数となる超多刃BL-CBNエンドミル(例:φ5で16枚刃)の開発により、難削材で超高能率加工を実現した。
「クレセントラインバーの開発」
富士精工 松下宣哉、藤井章博、近藤浩徳
【新規性】
専用機加工では支持治具上の支持穴と工具本体外径との隙間量を極小にすることで支持穴中心位置と工具中心位置を適合させるが支持治具位置の精密なアライメント調整や隙間量の管理が必要である。
本開発品は加工対象物の両端の穴を支持穴とし遠心力を用いて円周方向に工具を密着させるため、支持治具が不要であり隙間量の管理もなく支持穴中心位置に対し正確な工具中心位置を実現できる。
「両面インサート式高送りカッタWJXの開発」
三菱マテリアル 萩原隆行
【新規性】
両面インサートの多くは、その対称性から上下面に対して垂直な外周面で構成されるが、高送り工具に必要とされる低切削抵抗やランピング加工角度が両立できない。本製品は業界初の上下非対称ねじれ凹逃げ面を特徴とし、二つの性能を両立した。同時に、荒加工に適した強固なクランプ機構と切れ刃強度を達成した。
「高能率加工工具『ST4-TFX』の開発」
日本特殊陶業 吉川文博、安藤巨樹、野﨑翔太
【新規性】
従来工具と比較し、ハイレーキなすくい角を有することで切削抵抗を低減することに成功した。高切込み時に発生する多量の切屑を制御可能な形状設計により安定加工と良好な加工面を両立した。加えて高切込み加工に対応するために、被膜は高いAl含有率で硬度を維持しつつ、軟質相である六方晶を敢えて析出させ、かつその割合を制御することで、潤滑性を向上させ切削抵抗を低減した。更にはこの六方晶の存在により被膜の耐溶着性、耐チッピング性を向上させることができた。高負荷加工に設計されたこれらインサート形状と被膜との相乗効果により高切込み加工でも安定加工が可能となった。
「アクアREVOドリルオイルホールの開発」
不二越 松本克洋、大野伸一郎
【新規性】
穴加工では穴の奥でドリルが回転すれるため、クーラントの流量、流速、方向性を可視化することが困難であった。流体解析と、コーナやシンニング部の摩耗進行メカニズムを解析することで、独自のオイルホール形状を導き出した。クーラントでコーナとシンニングを狙い撃ちした結果、冷却性能が向上し、摩耗進行を抑制した所に新規性がある。
「刃先交換式ボールエンドミルBR2P形の開発」
MOLDONO 永渕憲二 、小林由幸、木内康博
【新規性】
従来親刃・子刃2種類のインサートで使用する刃先交換式ボールエンドミルは従来もあった。しかし、インサートの拘束性を保つための貫通溝を設けると、最も切削抵抗のかかる切れ刃底面の溝に応力集中が発生して欠損する問題点があった。これを親子刃一体形のインサートにし、インサートの拘束性を維持する貫通溝を非平行として、最も切削力のかかる親刃側底面を非貫通溝にする工夫によって、インサートの拘束性を維持しつつ切削力のかかる切れ刃底面の応力集中を緩和したことに新規性がある。さらにねじれ切れ刃形状の採用により、切削抵抗を削減することができるため、加工能率の改善と長寿命化を実現できる。
「環境大賞」
京セラ
140点満点110.7点、米中の貿易摩擦がアジア全体に波及し、成長率が鈍化し各社、得点が伸び悩む中、得点率79.0%という高評価結果だった。環境マネジメントシステムに基づく高レベルの組織的な仕組みが構築されており、地球温暖化防止、廃棄物削減等、環境活動に積極的に取組み、改善の推進力も高いと判断出来る。これらの環境活動は、他社の規範となり、2020年度環境大賞にふさわしいと判断した。
「環境賞」(新設)
三菱マテリアル
1位には僅かに及ばなかったものの140点満点106点、京セラ同様に、米中の貿易摩擦がアジア全体に波及し、成長率が鈍化し各社、得点が伸び悩む中、得点率76.0%という高評価だった。近年、一部の企業にて環境大賞が独占される中、環境賞を新設し2位の企業に授与する事により、工業会全体の環境への取組のモチベーション向上に繋がると判断した。三菱マテリアルの環境活動は、他社の模範となり賞賛に値すると判断した。
「環境特別賞」
オーエスジー、タンガロイ、日本特殊陶業
3社ともに、廃棄物対策の取組について継続的な活動が顕著にみられ、2017年度実績より連続(3年)して廃棄物排出量を削減している。また、再資源化率においても2015年度実績より連続(5年)してほぼ100%を達成している。環境管理活動についても継続的な取組を実施し、ⅭO2原単位排出量も2015年度実績より連続(5年)して数値が安定している。他社の模範になるものであり、環境特別賞とする。
日本粉末冶金工業会、2020年度工業会賞を発表
日本粉末冶金工業会(JPMA)はこのほど、「2020年度日本粉末冶金工業会賞」を発表した。同賞は、1979年度に粉末冶金工業普及事業の一環として創設、2020年度で42回目となる。
同賞は、工業会事業に貢献した個人を表彰する「業界功労賞」と優れた粉末冶金製品を表彰する「新製品賞」、優れた原料粉末を表彰する「原料賞」、優れた製造設備を表彰する「設備開発賞」からなる。「新製品賞」は、さらに「デザイン部門」、「材質部門」、「製法開発部門」に分けて審査、2003年度から、選考委員会で特に優れた受賞案件とされたものに「工業会大賞」を授与している。また、賞の対象にならなかった応募の中から、特徴のあるものを「奨励賞」として表彰している。
今回は新製品賞・デザイン部門、新製品賞・製法開発部門、奨励賞で、以下のとおり受賞企業が選出された。
■製品賞・デザイン部門
・ポーライト「車載LEDヘッドライト冷却ファン用軸受の焼結化」…本製品は、LED ヘッドライトバルブ冷却用ファンモータ用の軸受。近年、LEDヘッドライトは、大光量化・小型化に伴い、より高い放熱性が求められており、冷却ファンが搭載されるようになってきている。この軸受には、静音性、長寿命、低温(-40℃)起動性、広い実用温度(-40℃~120℃)域、アウトガスによる輝度低下防止など要求特性があるため、高価であっても流体軸受やボールベアリングが採用されている。本開発は、中逃軸受の特徴を生かし、しゅう動部を最適化して軸ロスを低減することで、しゅう動性・起動性を確保した。アスペクト比5を超える軸受において難しいとされる内径公差幅4μmと同軸度を確保し、軸とのクリアランスを縮小することにより、静音性が向上した。内径受面取り形状は、端面及び外周の溝形状に運転時熱膨張で漏れ出す含侵油を保持する機能を持たせることで、軸受の長寿命化を可能にした。材質は、銅被覆鉄粉を使い、高含油率低通気性を両立させることで、軸受面の油膜強度を確保し、静音性および耐摩耗性を向上した。含浸油は、低温から高温まで粘度指数の変化が少なく、アウトガスによる悪影響(輝度低下・ケミカルアタック)に配慮した成分を選定し、高温環境下で蒸発量の少ない含浸油を開発。その結果、ボールベアリングを上回る特性を満足し、LEDヘッドライトバルブ冷却用ファンモータ用軸受に採用され、焼結含油軸受の市場拡大に貢献した。
ポーライト「車載LEDヘッドライト冷却ファン用軸受の焼結化」
・ファインシンター「パーキングロック部品の曲率溝形状型出し化によるコスト低減」…本製品は、AT用、パーキングロック機構に使われるポールのサポート部品。本開発は、試作評価の過程で、相手部品(ポール)接触部の変形防止のため、曲率が変化する溝形状が必要となった。この溝と製品を組み付け固定するボルト穴は直交する関係にあり、通常は一方をネットシェイプ、他方を機械加工とするが、アンダーカット成形により溝形状をネットシェイプし、機械加工なしに製品化した。アンダーカット成形は、アンダーカット部の圧縮比制御が必要となるため、金型制御に CNC制御を使うなど機構が複雑となるが、上1段下2段の金型構成、一般的なウイズドロアル機構を用い、上パンチの動作で、アンダーカット部を成形するパンチ位置をダイと同期させ、安価で安定したネットシェイプに成功している。このアンダーカット成形に一役買っているのが、油による局所的な型潤滑。アンダーカット部を成形するパンチは成形中に外周方向に強い力を受けるが、この力をダイ内径で受ける構造となっている。パンチを安定的にしゅう動させる対策として、型潤滑を採用することにより、型カジリを抑制した。
ファインシンター「パーキングロック部品の曲率溝形状型出し化によるコスト低減」
・ダイヤメット「二輪車トランスミッション用焼結部品」…本製品は、2 輪車用トランスミッションのシフト機構に使われるカム。シフトチェンジの時にシフトレバーからの力をシフトフォークへ伝える機構であり、ピン部に大きな曲げ荷重および衝撃荷重がかかる。このため、一般的には、高価であっても焼結鍛造工法が採用されてきた。また、近年ロストワックス工法や、ピン部を溶製鋼とした工法に置き換わりが進みつつある。本開発は、一般焼結工法の強度向上に関して取り組み、製品化に成功したもの。形状を見直し、応力集中の緩和を行っている。強度向上の手法としては、細いピン形状部の高密度化に取り組んでいる。原料粉の選定、潤滑材開発および給粉方式の開発を行い、高圧成形、高温焼結で密度7.4g/cm3を達成している。また、ピン高さ寸法0.1mm以下にバラツキを抑制し、後加工を廃止することができた。一方で、金型のたわみによる成形割れが懸念されるが、ピン部への全数検査負荷試験により全数強度保証を行っている。この結果、焼結鍛造工法に近い強度を確保し、コストは焼結鍛造部品に対して40%低減することができた。
ダイヤメット「二輪車トランスミッション用焼結部品」■新製品賞・製法開発部門
・住友電気工業「磁束密度を確保し鉄損を低減したHEV向けリアクトル用圧粉コア」…本製法は、絶縁被覆鉄粉による圧粉コアの表面絶縁被膜破損を防止する成形方法。絶縁被膜被覆鉄粉は、金型に充填し加圧成形した後、金型から抜出す際、金型との摩擦で絶縁被膜が損傷し鉄粉同士が導通。圧粉コア表面に過電流が流れロスが増大する。対策として、レーザー加工などにより導通している部分に酸化鉄を生成させ導通を遮断し、渦電流ロスを防止しているが、コストが課題となっている。一般的に製品は 1個押し成形であり、外周面は全てダイによって形成され、金型から抜き出す際、全面がしゅう動し被膜の破損は避けられない。そこで、2個押し成形を採用し、二つの製品間の金型を浮動コアロッドとした。浮動コアロッドは、抜き出す際、成形体と同時に動き絶縁被膜の破損を防止する。その結果、レーザー加工を廃止し低コスト化を実現した。また、材料面においては、原料粉の粒度、成形条件を最適化により高密度化を実現。熱処理においては、条件の最適化により歪除去と鉄損を 25%低減している。今後、HEV、EVのシェア拡大により、生産量拡大が期待されている。
住友電気工業「磁束密度を確保し鉄損を低減したHEV向けリアクトル用圧粉コア」■奨励賞
・ポーライト「冷蔵庫用・庫内庫外統合ファンモータ用軸受の開発」…本製品は、冷蔵庫の異なる環境に置かれる庫内・庫外の冷却ファンそれぞれに使うことができる軸受。通常、庫内ファンは-30℃、庫外ファンは+60℃の環境下で使用される。従来は、この2種類の冷却ファンには、それぞれ最適化された軸受が使われていた。本開発においては、材質は最適なものを選定し、高含油率に設定することで長寿命化を実現した。加えて、シリコーン系の新しい潤滑油を開発することで、低温環境下における静音性・低摩擦特性・耐食性、高温環境下における耐摩耗性・低摩擦特性を両立することができた。庫内・庫外ファン用軸受を統一化により、スケールメリットによるコスト競争力、リードタイムの短縮などの効果が得られた。また、顧客側メリットとして、発注・在庫管理の簡素化、異品種混入防止効果が見込まれる。
ポーライト「冷蔵庫用・庫内庫外統合ファンモータ用軸受の開発」
・ファインシンター「低コスト C/C 複合材製カーボン系すり板の開発」…本材料は、鉄道車両上部にある、パンタグラフの最上部に取り付けられ車両へ電気を供給するためにトロリー線に接し集電するすり板用材料。すり板材料は、金属系と、カーボン系(銅とカーボンの複合材)に大別される。カーボン系はさらに銅含浸型、銅カーボン混合焼結型およびC/C複合材銅溶浸型に分類される。本材料はC/C複合材銅溶浸型に該当し、軽量・高強度・低摩耗で、トロリー線攻撃性が低いことが特徴。一方で、高価であることが課題となっている。本開発は高価な炭素繊維使用量の低減。炭素繊維量を低減し、すり板の強度を確保するには、バインダーを増量する必要がある。カーボン基材は、プリフォームド・ヤーン法を用い、炭素繊維とバインダーを束にした繊維を作りシート化する方式とし、工程を簡素化した。しかし炭素繊維を減じバインダーを増すと、銅の溶浸経路が狭くなり、充分な銅溶浸ができず、電気特性が得られなくなる。そこで、Cu-Ti溶浸材の配合を見直し、溶浸条件の最適化(2段階の温度設定)を行った。その結果、すり板は、充分な電気伝導性を確保し、強度は20%程度向上。摩耗率は20%低減、使用代は10%削減。従来品に対して、コストパフォーマンスは35%向上している。
ファインシンター「低コスト C/C 複合材製カーボン系すり板の開発」
イグス、追尾式太陽光発電向けの角型軸用ピローブロックベアリングのラインナップを拡充
イグスは、追尾式太陽光発電向け角型軸用ピローブロックベアリングに新たなサイズを追加し、ラインアップを拡充した。ソーラーパネルの取付けに使用できる高性能樹脂製「イグボール ピローブロックベアリングESQM」は、無潤滑でメンテナンスフリーかつ塵埃や汚れに強い。今回、太陽光発電における同社製品への高い需要に対応すべく、100mm×100mmおよび140mm×140mmの2サイズを新たに追加した。既存の110mm×110mmや120mm×120mmサイズはすでに世界各地で多くの実績を持つ。サイズ追加により、より多くのソリューションに対応できるようになった。
太陽光発電は現在活況を呈しているビジネスの一つで、世界各地で太陽光発電システムの設置が増加している。太陽光発電の設備を製造するメーカーには、発電コストを最小限に抑えながらソーラーパネルを最大限に活用できるシステムの構築が求められているが、追尾式太陽光発電モジュールは太陽の動きを追尾して自動的に角度を調整するため、固定式よりも発電効率が高くなる。
イグスでは、角型軸上の追尾式太陽光発電モジュールの安全性を確保するため、イグボール ピローブロックベアリングESQMを開発・提供しているが、本製品はイグミッドG製のポリマーハウジングとイグリデュールJ4製の球面ボールで構成。高性能なトライボポリマーによって、耐紫外線性および耐食性が確保されている。完全無潤滑であるため、塵埃や汚れに強く、メンテナンスも不要で、同時に、表面の凹凸による軸心のずれも容易に補正する。
イグスの広さ3800㎡の試験施設にて実条件下で試験し、寿命や耐摩耗性、許容荷重を調べたところ、15000Nの荷重で72年の耐用年数に相当する動作回数を達成。これにより、太陽光発電モジュールの標準寿命である25年に対し、イグボール ピローブロックベアリングESQMの安全性および確実性を実証している。