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リコー、DLCと同等以上の強度を有したAD法によるセラミックコーティングを開発
リコー( https://www.ricoh.co.jp/ )は、有機デバイスの機能を保ったままセラミックコーティングを行い、耐久性を向上させたデバイス(セラミック有機ハイブリッドデバイス)と、その製造方法を開発した。
MFP(プリンタ複合機)等に用いられる有機感光体の上に、独自に開発した電荷輸送性中間層塗料と透明導電性セラミック粉体をコーティングすることで、感光体に必要な機能を保ったまま表面の強度を35倍向上する。また、直径φ100mm×長さ380mmという広い面積においても均一な加工を行うことができたという。
セラミック有機ハイブリッドデバイスの一例(有機感光体)一般的にセラミックは原料となる粒子を高熱で焼結することで製造するため、従来の製造技術では有機物の構造を維持することや、セラミック膜に透明性や導電性を持たせることは困難だった。同社が採用したエアロゾルデポジッション(AD)法では、透明かつ導電性を持つセラミックの微細粉末を常温で固体のままデバイスの表面に衝突させることで、均一にセラミックの膜を形成する。そのためにはセラミック粉体の組成やサイズ、噴射条件などが非常に重要となるが、同社はその条件を制御することに成功した。
また、独自の電荷輸送性中間層を事前に塗布することで、デバイス表面を保護しつつセラミック粉体の密着性を高め、デバイス機能を保ったままセラミック層を厚膜化することにも成功した。これにより、同社の開発したセラミックコーティングは、DLC(Diamond like Carbon)コーティングと同等以上の強度を実現しているという。
セラミックコーティング断面の模式図この技術をリコーのMFP等で使われる電子写真用感光体に適用して摩耗試験を行ったところ、一般的な有機感光体の約35倍、高耐久樹脂膜を利用した感光体の約10倍の強度向上を確認した。この電荷輸送性中間層と透明導電性セラミック粉体は、目的に応じて調合を変えることにより、さまざまな有機デバイスに対応が可能だという。
この技術はリコーグループが長年培った半導体材料技術と薄膜生産技術を生かしたもので、常温で有機デバイス上にセラミック膜を生成することができる。この技術を応用することにより、有機EL、電子ペーパー、有機薄膜センサー、有機太陽電池など、さまざまな有機デバイスの耐久性強化と低コスト化に寄与できる、としている。
admin 2020年12月3日 (木曜日)