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NTN、フィルム延伸機テンタークリップ用軸受の信頼性を向上

4年 4ヶ月 ago
NTN、フィルム延伸機テンタークリップ用軸受の信頼性を向上kat 2021年04日01日(木) in in

 NTNは、保持器とグリースの見直しにより、低トルクで耐グリース漏れ性と耐久性を大幅に向上させたフィルム延伸機テンタークリップ用軸受を開発した。プラスチックフィルムの生産性向上に寄与できる。延伸機メーカー、クリップメーカー、プラスチックフィルムメーカーなどに提案を進め、プラスチックフィルムの生産性向上とフィルム延伸機のランニングコストの低減に貢献していく。2023年度に5億円の販売を目指す。

 

開発品

 

 プラスチックフィルム市場は、包装用途を中心に堅調に推移しており、近年は社会的関心の高まりを背景にバイオプラスチック、リサイクル原料を使用した環境対応フィルムのほか、食品ロスの削減に貢献するバリアフィルムなどの需要が拡大してきている。また、エレクトロニクス分野では、スマートフォンや液晶ディスプレイに欠かせないプリント基板にも耐熱性に優れるプラスチックフィルムが使用されている。

 フィルム延伸機はプラスチックフィルムを加熱・搬送しながら薄く引き伸ばす装置で、テンタークリップは同装置上でフィルムの両端をつかんでレールを走行するため、ガイドローラとして複数の軸受が使用される。

 テンタークリップには、延伸機の全長に応じて1 台あたり数千から数万個の軸受が使用されていることから、摩擦損失や交換によるランニングコストを抑える必要があり、軸受には低トルクと優れた耐久性が求められる。

 また、テンタークリップの走行速度は生産性向上のために高速化する傾向にあるが、一般的に軸受内部のグリースは高速・高温では漏れやすくなり、その結果、フィルムの汚染や不測のメンテナンスの必要性が生じる。このことから、軸受グリースには、耐漏れ性に優れることが要求される。

 今回開発したテンタークリップ用軸受は、「非接触シール」、内径を拡大しグリースの保持性を向上させた「新開発保持器」、および耐熱性に優れる「長寿命グリース」の適用により、低トルク化、グリース漏れの抑制、耐焼付き性の向上をすべて実現した商品となっている。

 

開発品の構造

 

 具体的な性能として、同社従来品(非接触シール形軸受)の低トルク性能を損なうことなく(軸受回転トルクが接触シール形軸受の1/4)、グリース漏れ量を70%低減、耐焼付き性を40%向上させている。

 開発品は、軸受温度が230℃まで使用可能な中温仕様と、300℃まで使用可能な高温仕様をラインアップし、汎用プラスチックフィルムからエンジニアリングプラスチックフィルムまでの幅広い延伸温度に対応が可能となっている。

 

従来品との比較

 

kat

ジェイテクト、X線画像診断装置用の低騒音・低トルクのX線管軸受ユニットを開発

4年 4ヶ月 ago
ジェイテクト、X線画像診断装置用の低騒音・低トルクのX線管軸受ユニットを開発kat 2021年04日01日(木) in in

 ジェイテクトは、医療用X線画像診断装置の一般撮影用装置に使われるX線管軸受ユニットについて、従来よりも低騒音・低トルク化を実現した製品を開発、2022年をめどに四国工場(徳島)で量産を開始する。 開発品の適用により、国内外の医療現場で患者や医療関係者のストレスの低減、作業性の向上に貢献していく。X線管球メーカーへの提案を進め、5000万円/年の売上を目指す。

 

低騒音・低トルク化を実現したX線管軸受ユニット

 

 X線管は、医療用X線画像診断装置においてX線を発生させるために必要となる部品の一つ。その中にX線管軸受ユニットが使用されており、X線管の中で高速回転している。X線画像診断装置においてはいかに静かに稼働させるかが課題で、静粛性が向上することで患者や医療関係者のストレス低減につながる。一方、バッテリー駆動の回診用(移動用)X線画像診断装置においては、省電力であることに加え、作業性向上のニーズがある。

 これらのニーズに対し、X線管軸受ユニットにおいては低騒音であることに加え、回転トルクが小さいことが重要となるが、これは従来設計の軸受では対応できない領域だった。

 ジェイテクトでは1995年よりX線管軸受ユニットを開発・製造しており、CT市場をはじめ、多くの医療現場での実績を積み重ねてきた。今回こうした経験をもとに、一般撮影用装置の一層の低騒音化とバッテリー駆動の装置の省電力化に貢献すべく、低騒音で低トルクのX線管軸受ユニットを開発した。

 開発品では、X線管軸受ユニット全体の大きさは変えずに軸受の内部設計を見直したほか、潤滑膜の成分・膜厚を見直した。これらの見直しにより、低振動(軸受の騒音の代替特性として用いた)と同時に低トルクを実現している。

 

サンプル品での実験結果

 

kat