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不二越、MVP法採用で高速成膜・細穴内面成膜が可能なDLC成膜装置を市場投入

4年 2ヶ月 ago
不二越、MVP法採用で高速成膜・細穴内面成膜が可能なDLC成膜装置を市場投入

 不二越は11月1日、岐阜大学・上坂裕之教授の開発したMVP(Microwave-sheath Voltage combination Plasma)法の採用により、高速の成膜・細穴内面の成膜が可能な新型ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング成膜装置「SMVP-1020」を開発、市場に投入した。

SMVP-1020

 

 半導体製造装置のバルブ、継手、パイプ内面などの耐腐食化、耐摩耗化や、紡績機械のノズル内面の耐摩耗化、さらには金型の耐摩耗化、耐疑着化を対象に提案を進め、10台/年の販売を目指す。

 炭素を主成分とする非晶質のカーボン物質膜であるDLC膜は近年、その高耐摩耗性、低摩擦性などの特性から、アルミ切削用ドリルや、半導体・紡績機械、金型、自動車部品、プラスチック、ガラスレンズなどに幅広く用いられており、DLC成膜装置の高品質化・高速化のニーズが一段と高まっている。

 同社では今回、基材に対して負の電圧を印加することで、基材表面にマイクロ波伝搬を可能にし、基材近傍に高密度プラズマの生成するプラズマ発生法であるMVP法を採用することで高密度プラズマによるDLC膜の高速外面コーティングを実現し、さらに細穴内面へのコーティングも可能とする成膜装置「SMVP-1020」を開発、上市したもの。特徴は以下のとおり。

・高密度プラズマによる超高速成膜:MVP法による高密度プラズマにより、外面コーティングでは150μm/hrの超高速成膜を実現。標準的な アーク法やスパッタ法による従来機と比較して、成膜速度が30 倍から最大150倍程度まで向上

・内面コーティングの成膜領域を拡大:従来の技術では困難であった細穴内面のコーティングを実現し、φ30mm×500Lmmやφ3mm×100Lmmなどの小径穴内部への成膜品質を確保

・少量、多品種に対応:同社従来機より処理時間を大幅に短縮し、処理膜の切替えも容易なため、少量・多品種の処理に柔軟に対応。また、コンパクトな設計で、2台設置し交互運転することで生産効率がさらに向上

 仕様は、据付寸法が幅2.1m×奥行2.0m×高さ2.1m、成膜有効範囲が径250mm×高さ500mm、対応膜種がDLC、Si-DLC。

kat 2021年11月2日 (火曜日)
kat

第14回岩木賞に、埼玉工業大学 長谷亜蘭氏、川邑研究所 川邑正広氏・JAXA 松本康司氏、ティ・ディ・シーが受賞

4年 2ヶ月 ago
第14回岩木賞に、埼玉工業大学 長谷亜蘭氏、川邑研究所 川邑正広氏・JAXA 松本康司氏、ティ・ディ・シーが受賞

 トライボコーティング技術研究会、未来生産システム学協会(FPS)などからなる岩木賞審査委員会は、「第14回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」を発表した。岩木賞は、表面改質、トライボコーティング分野で著しい業績を上げた個人、法人、団体を顕彰するもので、当該分野で多くの功績を残した故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業をたたえ、2008年度より創設されたもの。

 14回目となる今回は、埼玉工業大学・長谷亜蘭氏が業績名「摩擦界面 in situ 観察・AEセンシング研究によるトライボロジー現象の可視化・診断の基盤構築」により優秀賞に、また、川邑研究所・川邑正広氏ならびに宇宙航空研究開発機構(JAXA)・松本康司氏が業績名「宇宙探査における次世代型サンプルリターン用固体被膜潤滑剤の開発」により特別賞に輝いた。さらに、ティ・ディ・シーが業績名「金属箔(長尺フープ状)研磨技術の開発」により事業賞を受賞した。

 優秀賞の業績「摩擦界面 in situ 観察・AEセンシング研究によるトライボロジー現象の可視化・診断の基盤構築」は、摩擦界面 in situ観察(その場観察)とアコースティックエミッション計測(AEセンシング)を活用し、トライボロジー現象の可視化・診断に関する研究を推進し、トライボロジー現象が関わる様々な問題解決へのアプローチを行ったもの。両技術を駆使して多岐にわたるトライボマテリアル(金属、高分子材料、DLC膜、めっき、ガラス、ブレーキパッド材料など)、摩擦環境下(無潤滑下、潤滑下、通電下など)を対象として実験研究を遂行してきた結果、in situ観察によって得られた各種トライボロジー現象とAE信号の関係を明らかにしたほか、各種実験を実施しそのトライボロジー現象下で検出されたAE信号原波形の特徴を整理し、トライボロジー現象AE信号周波数の相関マップとして体系化した。AE信号周波数変化に着目したトライボロジー現象のインプロセス計測への適用・普及に貢献。AEセンシングによるIoT化・スマート化を一挙に加速できるほか、日用品、食品、医療など異分野への応用・展開が期待できることも評価された。

 特別賞の業績「宇宙探査における次世代型サンプルリターン用固体被膜潤滑剤の開発」では、地球外の天体から採取したサンプルを解析することで宇宙や生命の起源を明らかにしようとするミッション「サンプルリターン」において、次世代型サンプルリターン機構の駆動部の潤滑要件に耐える固体被膜潤滑剤の開発に成功したことが評価された。探査機のサンプルリターン機構部品に固体被膜潤滑剤を適用する際には、摺動部から排出された摩耗粉がコンタミとなった場合でも地球外物質と明確に区別できるよう、固体被膜潤滑剤に使用可能な材料が制限されている。より多く、より大きな試料を持ち帰るために機器の大型化が進む今後のサンプルリターンの駆動要素においては、大型化に伴い駆動部の摩擦部には負荷が増すことが想定され、より潤滑性・耐久性の高い潤滑剤が求められる。高負荷条件で実績のある層状固体潤滑剤・二硫化モリブデン(MoS2)など多くの無機材料が制限物質に指定されているため、限られた材料でMoS2系被膜の特性に相当する潤滑剤を開発する必要が生じている。こうした中で本業績は、四フッ化エチレン(PTFE)樹脂とポリイミド(PI)樹脂結合材を組み合わせた、摩擦係数0.1以下の長寿命の固体被膜潤滑剤を開発し、次世代のサンプルリターン機構に対応できる可能性を示した。

 事業賞の業績「金属箔(長尺フープ状)研磨技術の開発」は、長尺フープ状の銅箔への鏡面加工依頼に対し金属箔の鏡面加工の技術開発を積み重ね、ティ・ディ・シーが宮城県に本社を置くことから震災復興支援の新技術開発助成と、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発支援補助金にかかる補助事業の二つの補助制度の支援を受け、ナノレベルの表面粗さを連続的に実現する専用装置を開発、長尺フープ状の金属箔の超鏡面加工および量産化に取り組みユーザーニーズに応えられるレベルに到達したことなどが評価された。本研磨技術は、長尺鏡面金属箔をフレキシブルデバイス用支持基板として、印刷技術を用いてロールtoロール方式で電極を形成するなど、安価に大量の電子部品製造が可能になる新手法として期待されている。ディスプレイ分野では本研磨技術を用いてアモルファス金属箔帯に対する鏡面化も実績があり、有機EL材料としての採用も有望視されているほか、グラフェンを用いた新たなタッチパネルの量産化実現を支援する、グラフェン単層膜の製造用金型としての用途も見込まれている。

 第14回岩木賞の贈呈式と受賞業績の記念講演は、2022年2月25日に埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所で開催される「第24回『トライボコーティングの現状と将来』シンポジウム」で行われる予定。
 

第13回 岩木賞贈呈式のもよう

 

kat 2021年11月2日 (火曜日)
kat