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ジェイテクト、専門知識不要でAI活用機会を広げる「AIエージェント構想」を発表

4ヶ月 2週 ago
ジェイテクト、専門知識不要でAI活用機会を広げる「AIエージェント構想」を発表kat 2025年07日30日(水) in

 ジェイテクトはこのほど、誰もがAIを業務アシスタントとして当たり前に活用できる「AIエージェント構想」を発表した。

 この構想は、ジェイテクトが第二期中期経営計画で成長戦略・重点施策として掲げる「デジタルモノづくり」の取り組みの一つであり、第1フェーズである「AI活用プラットフォームの構築」と第2フェーズである「AIエージェントの実装」で構成している。

 同社では2027年4月までに第2フェーズの運用環境を整備し、設計や事務系など部門を問わず誰もが専門知識不要でAIを活用し、業務効率向上と画期的なソリューションを提供できる体制を構築していく。

 ジェイテクトは、「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というミッションに基づき、2030年までに目指す姿としてJTEKT Group 2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げている。このソリューションプロバイダーへの変革のために、デジタルを活用した業務効率向上や、ユーザーの課題解決に貢献する新規性のある製品や技術の開発を推進している。

ジェイテクトグループのMVV :Mission、Vision、Value

 

 第1フェーズ「AI活用プラットフォームの構築」では、プログラミングが不要なノーコードAIを活用できる環境を整備する。ユーザーはプラットフォーム内に格納された、画像認識、データ分析、生成AIを活用した各種アプリケーションとデータベースに保存された情報を自由に組み合わせることで、業務改革ソリューションを簡単に作成することが可能になる。

 このAI活用プラットフォームは2027年4月に向けて順次拡充予定で、すでに生成AIを活用した特許調査を効率化するアプリケーションを作成し、全社で活用を進めている。

第1フェーズ: AI活用プラットフォームの構築

 

 第2フェーズ「AIエージェントの実装」では、ユーザーがチャットで入力した「やりたいこと」に応じて、AIエージェントがオーケストレーターとなってAI活用プラットフォームから必要なアプリケーションやデータを自動で組み合わせることで、最適な結果を提供する。

 ユーザーの「やりたいこと」に対しAIエージェントが必要なアプリケーションやデータを自律的に選定するため、ユーザーには専門知識が求められず、誰でも簡単に業務にAIを取り入れることが可能になる。

 このAIエージェントの利用体制は2027年4月までに構築する予定だ。

第2フェーズ:AIエージェントの実装

 

 ジェイテクトでは、AI活用プラットフォームの拡充と並行して、各事業本部の社員がAI・ソフトウェア開発の専門部署であるデータアナリティクス研究部に社内留学し、AI人材を育成している。さらに、ジェイテクトのMission Vision Valueの中にある共通の価値観「Yes for All, by All! みんなのために、みんなでやろう」に基づき、全社員参加型のデジタルリテラシーの底上げ活動である「デジタル祭り」を2024年6月より実施している。

 ジェイテクトではこうしたデジタル基盤の強化を通じて、企画・設計から生産準備・生産までのエンジニアリングチェーンをデジタルでつなぐ「デジタルモノづくり」の実装を進めるとともに、営業や調達まで含むバリューチェーンやバックオフィス部門のデータをつなぐ「一気通貫のデジタル流通基盤」を構築し、意思決定の高度化と業務効率の向上を実現していく。

 ジェイテクトでは今後も、ソソリューションプロバイダーへの変革に向けて、一人ひとりがデジタルを活用することで価値創造力を高め、やりたいことを見つけ、新たなチャレンジに注力できる組織づくりを推進していく考えだ。

第二期中期経営計画で掲げる「デジタルモノづくり」と「デジタル基幹システム」の概念図

 

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NTN、サーボモーター用低発塵軸受の量産を開始

4ヶ月 2週 ago
NTN、サーボモーター用低発塵軸受の量産を開始kat 2025年07日30日(水) in in

 NTNは、産業用ロボットや工作機械、半導体製造装置などに幅広く使用されているサーボモーター用の軸受として、軸受からの発塵(軸受内部で使用されているグリースの油分が蒸発、あるいは飛沫となり軸受外部へ漏れ出したもの)と回転トルクを大幅に低減した「サーボモーター用低発塵軸受」について、大手モーターメーカー向けの量産を開始した。

サーボモーター用低発塵軸受産業用ロボット向けサーボモーターにおける適用例

 

 サーボモーターは、回転検出器(センサーやエンコーダー)とブレーキを搭載し、回転速度や角度を高精度に制御できるため、産業用ロボットや工作機械など精密な動作が求められる産業機械に使用されている。しかし、軸受に使用されるグリースの油分などの発塵物がエンコーダーに付着すると検出精度が低下するほか、ブレーキディスクに付着すると制動性に支障が出ることもあり、サーボモーター用軸受にはこれらの発塵を抑制することが求められてきた。

 同社が開発したサーボモーター用低発塵軸受は、成分や配合を見直すことで発塵の発生を大幅に抑制することに成功した新開発の低発塵グリースと、密封性を向上させた新設計のシールを採用することで、軸受からの発塵量を従来品比で約90%低減している。

 また、新設計のシールは形状の改良により、密封性を維持しつつ、従来品比で約50%の低トルク化を実現している。

サーボモーター用低発塵軸受の構造

 

 発塵の大幅な抑制によるサーボモーターの制御の信頼性向上に加え、回転トルクを抑えたまま長時間にわたり安定して使用できる高い耐久性が評価され、今回大手モーターメーカーに採用されて、量産開始に至ったもの。

 サーボモーターは、高精度な回転制御が行えるため、近年は産業用ロボットや工作機械を中心に需要が増加している。産業用ロボットや人型ロボットに使用されるサーボモーターは、関節部の駆動用途が多く、関節部の軸速度や加速度を高めるために小型化、高出力化が求められている。

 開発品は軸受からの発塵を大幅に抑制できるため、サーボモーターの密封装置が不要となり小型化を図れるとともに、低トルク化によるサーボモーターの高出力化にも貢献することが可能となる。

 NTNでは、「今後も本商品や工作機械用のサーボモーター向けに高速回転対応と低振動化を実現する「高速サーボモーター用深溝玉軸受」などの高付加価値商品の提案を進め、サーボモーターのさらなる性能向上に貢献していく」とコメントしている。

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