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カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー

 

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SEMICON Japan 2024が開催、bmt関連製品が多数披露

3ヶ月 1週 ago
SEMICON Japan 2024が開催、bmt関連製品が多数披露kat 2025年01日14日(火) in in

 エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2024」が12月11日~13日、東京江東区の東京ビッグサイトで開催され、延べ10万3165人が来場した。

 今回は、変化する半導体~システム全体の設計・検証分野に注目して、現状の課題や次世代の方向性を共有するサミット「Advanced Design and Innovation Summit」(ADIS)が初めて開催されたほか、後工程、パッケージ分野の材料、開発環境、デバイス、製造にフォーカスした第3回目となる「Advanced Packaging and Chiplet Summit」(APCS)や、「半導体と医療」をテーマにした講演と「AI Summit」と題する講演などが行われた。

 半導体製造装置において、3D構造を伴った微細化の進展や、微細化によらず集積度を向上できる3D NANDフラッシュメモリーの高度化などが進む一方で、生産性向上のための高スループット化や、半導体の歩留まり向上のためのコンタミネーションコントロール、ESD対策などが求められる中で、各種のベアリング&モーション技術(bmt)関連製品が多数展示された。

 木村洋行は、採用実績の多い宇宙機器と同様の真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている「ケイドン超薄型ボールベアリング」を展示した。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現できる。また、SKFが新開発した「クリーン・ドライ環境向け自動給脂システム」を初披露した。クリーンルーム内に設置できる世界初のグリース自動供給システムで、ドイツのフラウンホーファーIPAによりISO 14644-1に基づいて評価を実施し、クリーンルームのクラス4という高い清浄度の認証を取得していて、クリーンルーム内に持ち込んでも全く問題がないレベルの潤滑システムとなっている。クリーンルームの外からプログラミングが可能な自動給脂システムのため、人が立ち入ることによる異物の混入がない。

木村洋行「クリーン・ドライ環境向け自動給脂システム」

 

 THKは、強磁場環境でも高精度で安定した直線運動を実現する比透磁率1.02以下の低透磁率LMガイド「HSR M3形」を初披露した。LMレールとLMブロックに低透磁率材料を使用することで磁場環境下でも製品性能を発揮することができるため、磁場を気にすることなく設計することが可能。MRI装置や各種試験装置などの強磁場が発生する装置でも、HSR M3形を用いることで磁場の影響を受けず、スムースな動きを実現する。40HRC以上の硬度を有しているため、低透磁率材料として知られているSUS 316と比べ大きな荷重を受けることが可能で、LMブロックに作用する4方向(ラジアル方向・逆ラジアル方向・横方向)に対して、同一定格荷重になるよう各ボール列を接触角45°で配置することであらゆる姿勢での使用が可能となり、より幅広い用途に使用できる。

THK「HSR M3形」

 

 ニッペコは、半導体製造装置向け真空環境対応グリース「ロゲネストラムダTKM-03」を紹介した。摩擦抵抗、摩耗、発熱が大きくなる真空中において、潤滑性を保持しつつ、アウトガスの発生が極めて少ない=真空中の気化に伴うグリース基油の蒸発が極めて少ない真空環境対応グリース。基油にフッ素オイルPFPE(パーフルオロポリエーテル)を、増ちょう剤にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を配合し、耐熱性、耐真空性に優れる。グリースからの油の分離度合いを評価する「離油度」が非常に低い値を示しているほか、200℃および250℃で24時間評価した「蒸発減量」でもほぼ気化していない結果となっていて、優れた耐熱性と低アウトガス特性を有する。宇宙環境下のアウトガス試験法として米国航空宇宙局(NASA)が推奨している試験規格(ASTM E595)があるが、ロゲネストラムダTKM-03はASTM E595試験規格に合格し基準値を満たしているため、「宇宙環境(高真空環境)で使えるグリース」であることを訴求した。

ニッペコ「ロゲネストラムダTKM-03」

 

 日本ベアリングは、同社の強みとするスライドウェイ・スライドブッシュを中心に、各種のデモ機をまじえて直動製品を多数展示した。スライドウェイはローラーを使用した非循環方式のクロスローラーガイドで、リニアガイドと比較して①コンパクト設計、②軽く滑らかな動き、③高剛性・高精度の特長があり、半導体製造装置/検査装置/光学機器で主に使用されている。特に従来製品であるSV形の設計を見直し大幅な性能アップを図った新製品「スライドウェイHV形」を紹介。従来品の設計を見直した性能アップ製品で、置換えだけで装置・設備の剛性・耐久性向上やコンパクト化に貢献するほか、微小送りにも正確に追従し、高精度を必要とする光学機器、検査装置などに特に使用されている。真空環境、クリーン環境向けにオールステンレス仕様にも対応が可能。一方、スライドブッシュは丸軸を用いた直動案内で、精密で低摩擦な直線運動が簡単に得られることから、AGVなどの自動機から大型の生産設備まであらゆる用途で使用できる。ブースでは、コンパクトでありながら直線運動と回転運動の両方が可能なスライドロータリーブッシュの活用も提案した。

日本ベアリング「スライドウェイの展示コーナー」

 

 ハイウィンは、「HIWINカスタム真空DDモーター」と「HIWIN 真空対応リニアモーター」を披露した。カスタム真空DDモーターは、高真空10-8 mbarクラスに対応。特殊なパッケージ技術により真空システム内における最適化された放熱設計で、連続高トルク出力を実現する。また、真空対応リニアモーターは、真空用途の低アウトガス要件を考慮した幅広いラインアップを提供。高真空10-8 mbarクラスまで対応するほか、カスタムの磁気シールド設計により磁気干渉を防ぎ、半導体における電子ビームのアプリケーションを安定化させる。

ハイウィン「HIWINカスタム真空DDモーター/HIWIN 真空対応リニアモーター」

 

kat

ロボット関連3団体、2025新年賀詞交歓会を開催

3ヶ月 1週 ago
ロボット関連3団体、2025新年賀詞交歓会を開催kat 2025年01日14日(火) in in

 日本ロボット工業会、製造科学技術センターと日本ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)のロボット関連3団体は1月10日、東京都港区の東京プリンスホテルで「2025年 ロボット関連3団体新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は代表して日本ロボット工業会の橋本康彦会長(川崎重工業社長)が挨拶に立ち、以下のように語った。「2024年を振り返ると、パリオリンピック/パラリンピックでの日本人選手の活躍や、メジャーリーグでの大谷翔平選手の活躍など、スポーツでは明るい話題があった一方で、国内ではちょうど1年前に能登半島の大地震や豪雨災害をはじめとする多くの災害が、そして世界でも多くの災害が発生し、非常に多くの方々が被災した一年だった。また、日本をはじめとする80カ国・地域での選挙が行われ、今後の政治の流動化への不安を抱かせた一年でもあった。一方、長引くロシア・ウクライナ情勢や、ますます複雑化する中東情勢など、地政学リスクがさらに不安定化してきている。国際経済もそれら要因に加えて、中国経済の低迷や欧米でのインフレ圧力などから回復軌道の見直しが厳しい状況となっている。直近の国際通貨基金による世界経済の見直しの中でも、一昨年は3.3%、昨年は3.2%で、今年も3.2%にとどまるという目測もあり、さまざまな懸念を抱いた中での年明けと言える。こうした状況の中、2024年の我が国のロボット産業は上述の中国市場の低迷や世界経済のリスク、さらに米国大統領選挙前の投資の先送りなどの理由から、受注額が対前年比1.6%減の8300億円、生産額では12.3%減の約7820億円と、当初見込みを下回る結果となった。2025年の我が国のロボット市場としては、次期トランプ政権での通商政策や米中摩擦の再燃などの不透明感はあるものの、米国景気の拡大への期待あるいはAIの大規模投資による半導体あるいは電子機器の回復が見られるなど、根強い自動化投資への回復をベースに、受注額は対前年比4.8%増の8700億円、生産額は同6.1%増の8300億円を見通している」と語った。

 

挨拶する橋本会長

 

 続いて、ロボット関連3団体の本年の活動について紹介、特に日本ロボット工業会の活動について以下のとおり紹介した。

 日本ロボット工業会は、業界の活性化をさらに推進すべく、昨年に引き続き、以下の三つの観点から取り組みを進める。

・市場拡大に向けての取り組み:同会では2023年から経済産業省の「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」の施設管理および食品の2分野におけるロボットフレンドリーな環境構築に必要な研究開発の支援事業に参画しており、本年度がその最終年度に当たるため、その研究成果の普及に努める。また、政府では中小企業省力化投資補助事業での省力化支援において、カタログ注文型に加え、新たに一般型を設けることで、ロボットのシステム設備に対する導入支援が拡充されることとなり、それらの施策を通じてロボットの利用拡大に努めるほか、日本Sier協会をはじめ関係団体との連携を通じて、一層の市場開拓に努める

・イノベーションの加速に向けた産学連携の推進:ロボット分野における国際競争はますます激化しており、グローバル市場における我が国の優位性の確保や潜在市場の顕在化に加え、さまざまな社会課題の解決に向けたロボットイノベーションの加速が急務となっている。その対応に向け、引き続き日本ロボット学会やその他関係諸団体との連携を深めていく

・国際標準化の推進、国際協調・協力の推進:国際標準化については欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいるが、引き続き我が国も官民挙げての取り組みが大変重要になる。特にロボットの国際標準化については、審議しているISO TC299では本年2月に東京会議として五つのWGが開催されることとなっており、国際標準化活動に対してロボットのリーディングカントリーとして引き続き積極的に取り組んでいく。また、国際ロボット連盟を通じた活動ならびに国際交流を積極的に進めていく。加えて本年4月13日~10月13日までの「2025大阪関西万博」の開催に合わせて、同会が2023年度にスタートした2050年に向けてのロボット産業ビジョンの最終版を現在、鋭意取りまとめている。6月4日~6日に「第26回実装プロセステクノロジー展」、12月3日~6日に「2025国際ロボット展」という二つの展示会を東京ビッグサイトで開催する。両展示会を通じて、技術情報の発信とともに、さまざまな分野へのロボットの利活用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査・技術振興等の各事業を意欲的に展開していく

kat