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第7回 名古屋 ものづくり ワールドが開催

2年 6ヶ月 ago
第7回 名古屋 ものづくり ワールドが開催

 「機械要素技術展」、「航空・宇宙機器 開発展」などからなる「第7回 名古屋 ものづくり ワールド」(主催:RX Japan)が4月13日~15日、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催され、表面改質関連では以下のような展示がなされた。

 オーエスジーコーティングサービス(https://www.e-ocs.com/)は、被膜の平滑さによって反溶着性や潤滑性が求められるアルミニウム合金の加工に抜群の威力を発揮する各種DLCコーティングを紹介した。用途に合わせて厚膜で長寿命の「DLC-IGUSS(アイグス)®」、薄膜でシャープエッジの「DLC-SUPER HARD」、摺動部品・治工具向けの「DLC-LUBUC α」の3種類のコーティングの受託加工に対応している。今後の自動車のEV化に伴って軽量化を目的としたアルミニウム合金製部品の加工が増えると見られることから、同社がアルミ溶着防止のための加工工具へのDLC被覆の需要増大に対応できる体制にあることをアピールした。同社の処理製品はいずれも、脱膜・再コーティングが可能としている。

オーエスジーコーティングサービス 「DLC-IGUSS」などの各種DLC被膜を処理した切削工具

 日建塗装工業(http://www.nikken-toso.co.jp/)は、フッ素・シリコーン樹脂でも対応できない強力な粘着物質の付着防止を目的に開発された新しい非粘着表面処理技術「ノンスティックコーティング」を披露した。基材の上に非粘着物質とプレセラミック(熱硬化性ケイ素系ポリマー)をコーティングすることで、非粘着性と表面強度を大幅に向上している。ブースでは、金属・刃物用の「ノンスティック&スーパーノンスティックコート」や金属・刃物用の「透明薄膜ノンスティックコート」、CFRPカウルプレート用の「透明薄膜ノンスティックコート」を展示、来場者に布テープで非粘着性を試してもらうデモンストレーションを実施した。また、熱溶着工法における金型・熱板の樹脂離型用塗に適応する高温耐久離型フッ素樹脂コーティング「サーモプロリリース」や、PEEK樹脂の優れた耐摩耗性や耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、機械加工性を表面に付与する「PEEKCOAT®」を紹介した。

日建塗装工業 「ノンスティックコーティング」

 不二製作所(https://www.fujimfg.co.jp/)は、独自のエアーブラスト「α処理」を紹介した。ワーク最表層をナノ結晶化させることでエッジをだらさずに硬さが向上、ピーニング効果で圧縮残留応力が入る。また、微細なテクスチャが形成されることで接触面積が減少するため、摩擦抵抗を低減し摺動性が向上する。高強度・高脆性材料への処理のほかコーティング膜への処理も可能。また、24時間連続での鏡面研磨が可能な自動機「SIRIUS-Z®」を披露。鏡面研磨メディアは、変形しやすく低反発な材料を核体にしたことで優れた鏡面加工性を発揮するほか、高い形状復元性により長時間の連続噴射を可能にしている。操作性が良く自由なポジションで加工できるノズル方式の「分粒加工」によって、平面だけでなく溝や小径穴内面、微細表面も磨ける。様々な大きさや形状、量産にも対応できるほか、装置内でメディアの再生作業を常時自動で行うことで長時間の安定した加工を可能としている。

不二製作所 「SIRIUS-Z」で鏡面研磨された樹脂3Dプリント品(右)

 北熱(https://hokunetsu.com/)は、AlCrN系耐摩耗層を最表層に使用したダイカスト金型用の厚膜PVDコーティング「Acro9」を紹介した。ダイカスト金型用コーティングとして一般的なTiAlNと比較すると、Acro9は高い耐熱温度1000℃および厚い膜厚9μmを特徴とする。耐摩耗/耐溶損層が高面圧/高温の被加工材から基材を保護するほか、耐摩耗/耐溶損層と基材の間に密着層を生成することで、高面圧環境でも優れた密着性を示す。Acro9はラジカル窒化後の金型にも処理が可能で、未窒化の場合に比べ耐溶損性・耐衝撃摩耗性・耐摩耗性など多くの性能を向上できる。ブースでは、コーティングピンをアルミ合金ADC12溶湯(700℃)に浸漬し耐溶損性を評価した結果、TiAlNは浸漬8時間で激しい溶損が発生しピンが細くなっているのに対し、Acro9の寿命は浸漬24時間とTiAlNの3倍以上、さらにラジカル窒化+Acro9の寿命は浸漬40時間とTiAlNの5倍以上だったことをアピールした。

北熱 「Acro9」

 ユケン工業(https://www.yuken-ind.co.jp/)は、樹脂成形で問題とされる材料の分解ガスが付着しにくく、汚れ付着抑制や耐食性向上などを実現する樹脂成形用被膜「Yコート タイプBL」を紹介した。ガス滞留部においても腐食防止に効果があるほか、GF含有材によるシボ形状の摩耗防止・PL部のバリ防止に効果がある。ガス付着による製品外観不良防止やガス付着低下によるメンテナンス回数の削減にも有効。また、独自の下地処理(樹脂との接触面積低減のための特殊ディンプル加工)とタイプBLを組み合わせて離型性を向上する樹脂成形被膜「Yコート タイプBLプラス」を紹介した。金型から製品が取れない、成形品に白化・伸びが起こる、離型剤の塗布が必要といった成形メーカーの課題に対して、表面エネルギーの低いタイプBL被膜の化学的作用と、金型素地の凹凸形状による物理的作用を利用して離型課題を改善する。特に金型コア側の離型効果に優れ、多くの樹脂材料で離型効果が確認されている。

ユケン工業 「Yコート タイプBL/BLプラス」

 

kat 2022年4月25日 (月曜日)
kat