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ジェイテクト、電動化に貢献する幅短縮デフサイドシールを新開発

2年 5ヶ月 ago
ジェイテクト、電動化に貢献する幅短縮デフサイドシールを新開発kat 2022年11日08日(火) in in

 ジェイテクトのグループ会社である光洋シーリングテクノは、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleの小型化・軽量化に寄与する幅短縮デフサイドシール「JTEKT Ultra Compact SealTM (JUCS)」を新たに開発した。JCUSは、BEVのeAxleにとどまらず、建設機械や農業機械、ロボット、ドローンなどの産業機械に適用することで、国内外のあらゆる駆動システムの小型化ニーズに対応していく。約5億円/年の売上を目指す。

JUCS

 

 デフサイドシールとは、デファレンシャル(デフ) とドライブシャフトの連結部に装着するオイルシールのことで、内部からのオイル漏れや外部からの異物混入を防ぐ働きがる。なおデフとは、自動車の旋回時など走行中に発生する左右輪間の回転差を吸収しつつ、両輪と駆動源をつなぎトルク伝達を行う差動装置をいう。

 自動車の電動化が進む中、インバータ、モーター、デフを含む減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、より良いBEV実現のためにはその駆動源の心臓部であるeAxleの小型化・高出力密度化が求められている。

 そうした中、ジェイテクトグループでは、eAxleへの搭載を考慮し、ゴム材の開発、ならびにリップ設計の見直しを行うことで、デフサイドシールの幅寸法短縮を実現した。

同軸タイプeAxleの断面図とJUCS搭載位置

 

 開発品の特徴は以下のとおり。

・シール性能(低温時における偏心追随性)を維持したままユニット長を短縮可能:零下などの低温時はデフサイドシールのゴムが固くなり、軸の偏心に対するシールリップの追随能力が低下し、eAxleからのオイル漏れが発生しやすくなる。そこで低温性を従来比1.2倍に向上させたゴム材を開発し、加えて緊迫力構成比率(ゴム:ばね)の最適化により、低温時における偏心追随性の向上を図った。その結果、従来と同等の偏心追随性を確保しながら、シール内周部のリップ長さを20%短縮することが可能となった。また、シール外周部は、金属環とハウジングを接触させる構造とし、幅寸法短縮により低下するシールの保持力を維持している。


・デフサイドシール左右合わせて約4mmのeAxle幅寸法短縮を実現:上記の技術により、デフサイドシールで主に使用されるサイズ(外径50~80mm、幅9~12mm)において、シール幅を約2mm、左右合わせて約4mm短縮することが可能となり、eAxleのユニット長の短縮に貢献する。

 今後は、JUCSだけでなく、発表済みのJTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)やJTEKT Ultra Compact Bearing(JUCB)といった、ジェイテクトグループが有する技術でシナジーを生み出し、ユーザーに電動化貢献技術を提案していく。

 BEV電動駆動システムで特に需要拡大が予測される出力150Kwの同軸タイプeAxleに、上述3製品を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減すると算出され、eAxleの幅寸法短縮をはじめ、前後寸法や高さ寸法の短縮、それらに伴う小型化・軽量化に貢献することが期待できる。

 ジェイテクトは引き続き、グループを挙げて、eAxleの一層の小型化・軽量化に寄与し、バッテリー搭載量拡大によるBEV航続距離向上をはじめ、eAxle搭載位置の自由度拡大、車室や荷室空間の確保、車両シルエットの自由度拡大、電費向上など、BEVにおける嬉しさ追求に貢献していく。

kat

ジェイテクト、電動化に貢献する超幅狭軸受を新開発

2年 5ヶ月 ago
ジェイテクト、電動化に貢献する超幅狭軸受を新開発kat 2022年11日08日(火) in in

 ジェイテクトは、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleに搭載される軸受を幅狭化した超幅狭軸受「JTEKT Ultra Compact BearingTM (JUCB)」を新たに開発いたしました。eAxleの一層の小型化・軽量化に貢献する。JUCBは、BEVのeAxleだけでなく、建設機械や農業機械、ロボット、ドローンなどの産業機械に適用することで、国内外のあらゆる駆動システムの小型化ニーズに対応できる。同社ではJUCBで約70億円/年の売上を目指す。

JUCB

 

 自動車の電動化が進む中、インバータ、モーター、デフを含む減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、電費向上や航続距離延長など、より良いBEV実現のためには、その駆動源の心臓部であるeAxleの小型化が求められている。

 ジェイテクトは、2016年に主にHEV(ハイブリット車)やBEVのモーターに使用される高剛性組み合わせ樹脂保持器を開発した。今回開発したJUCBは、高剛性組合せ樹脂保持器をベースに保持器側面中心に穴を設け、保持器の幅を極限まで狭くすることで軸受の幅狭化を実現した。また、独自の金型設計および成形手法を確立し、幅狭化をする中でも保持器の強度を確保することができた。JUCBの特徴は以下のとおり。

軸受の幅狭化


・軸受性能(強度、耐久性)は従来品と同等、軸受幅は従来品に対して極限まで狭めることを達成した。汎用サイズ(6207)への適用で、軸方向寸法5mm(約30%)の短縮、重量は73g(約26%)の低減となる。これにより、同軸タイプや3軸タイプeAxleに搭載することで、ユニット長の短縮化を可能とする。

幅狭保持器

 

同軸タイプ(左)と3軸タイプ(右)
eAxleの断面図とJUCBによるユニット長短縮化

 

 今後は、JUCBだけでなく、発表済みのJTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)や現在開発中のeAxle向け超幅短オイルシールなど、ジェイテクトグループが有する技術でシナジーを生み出し、ユーザーに電動化貢献技術を提案していく。

 BEV電動駆動システムで特に需要拡大が予測される出力150Kwの同軸タイプeAxleに、上述3製品を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減すると算出され、eAxleの幅寸法短縮をはじめ、前後寸法や高さ寸法の短縮、それらに伴う小型化・軽量化に貢献することが期待できる 。

 ジェイテクトでは引き続き、グループを挙げて、eAxleの一層の小型化・軽量化に寄与し、バッテリー搭載量拡大によるBEV航続距離向上をはじめ、eAxle搭載位置の自由度拡大、車室や荷室空間の確保、車両シルエットの自由度拡大、電費向上など、BEVにおける嬉しさ追求に貢献していく。

kat