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ジェイテクト、樹脂材料のトライボロジー研究で仏Prix HIRN 2022を受賞
ジェイテクト 研究開発本部 材料研究部 トライボロジー研究室の国島武史氏が受賞研究タイトル「Tribology of PA66 or fiber-reinforced composite/steel under grease lubrication」(グリース潤滑下において鋼と接触するPA(ポリアミド)66および繊維強化樹脂材のトライボロジーに関する研究)で、フランスÉcole Centrale de LyonおよびCentre National de la Recherche Scientifique(CNRS)の研究機関である、Laboratoire de Tribologie et Dynamique des Systèmes(LTDS)との共同研究において、フランスの機械およびトライボロジー分野の学会であるle Groupe Scientifique et Technique Tribologie de l’Association Française de Mécanique(AFM)から、「Prix HIRN 2022」を日本人として初めて受賞した。
受賞者の国島武史氏
Prix HIRNは、フランスの大学・研究機関で行われた、摩擦や摩耗および潤滑などを対象とした科学技術であるトライボロジーに関するPhD(博士)研究の中で、前年の最も優れた研究に対して贈られる賞。AFMが1992年より毎年実施しており、今年で30回目となる。
2018年6月~2021年5月にジェイテクトは、LTDSのPhilippe KapsaシニアリサーチャおよびVincent Fridrici准教授らのグループと共同で、グリース潤滑下において鋼とPA66を用いる異種材を組み合わせたしゅう動形態における、摩擦摩耗メカニズムおよび、しゅう動面のトライボ化学反応などのトライボロジー挙動に関する研究を重ねた。その成果として、これまで解明されていなかった、グリース潤滑下における樹脂と鋼の高面圧接触における特有なトライボロジー挙動について、そのメカニズムを体系的に解明することができたもの。
本研究成果は、材料開発やしゅう動面設計の基礎基盤で、例えば鋼材のウォームシャフトと樹脂材のウォームホイールから構成される、電動パワーステアリング(EPS)減速機の次世代開発に活用される。今後ジェイテクトでは、本研究成果を活かし、EPSの小型化による燃費向上や高出力化による大型車の自動運転化の実現などへの貢献を目指していく。
グリース潤滑下における樹脂と鋼の高面圧接触におけるトライボロジー挙動の解明