北海道大学、アルマイトの超高速はく離法を開発
北海道大学大学院工学院修士課程の宮本和哉氏、同博士後期課程の岩井 愛氏、同大学大学院工学研究院の菊地竜也准教授の研究グループは、アルミニウムの不動態皮膜「アルマイト(ナノポーラスアルミナ)」を安全な方法によって超高速剥離する技術の開発に成功した。
アルマイトはナノサイズの小さな細孔が無数に配列したナノポーラス構造を持つことから、様々なナノテクノロジーへの応用に関する研究開発が世界各国で活発に行われている。本研究で開発した新規のアルマイトはく離法は、エチレングリコールと塩化ナトリウムからなる安定・安全な溶液にアルマイト形成アルミニウムを浸漬し、わずか0.5秒間電気を流すことにより、アルマイトを超高速はく離する技術。
さらに、はく離したアルマイトをリン酸水溶液に浸漬すると、アルマイト底部の不動態バリヤー層が優先的に溶解し、アルマイト上部から下部まで細孔が貫通した「細孔貫通膜(スルーホールメンブレン)」を作製することができた。この超高速はく離技術を用いることにより、最先端ナノテクノロジーへのアルマイトの応用と工業化が極めて容易になるものと期待される。
アルマイト(ナノポーラスアルミナ)の安全な超高速電解はく離法
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2022年7月28日 (木曜日)