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東陽テクニカ、潤滑油・作動油の劣化度を判定できる自社開発のパッチアナライザーを6月に発売
東陽テクニカは、自社開発のパッチアナライザー「PA-250」(https://www.toyo.co.jp/onetech/products/detail/id=43667)を、6月2日に販売開始する。反射光と透過光の二つの方式によって使用中の潤滑油や作動油の色と酸化生成物の量を定量的に測定し、劣化度を高精度に判定、オイルメンテナンスの効率化を実現する。販売予定価格は45万8000円(税抜き)。
PA-250本体イメージ
使用中の潤滑油・作動油(使用油)の劣化は、機器の精度低下や機能障害を引き起こし、メンテナンス費用の増加や生産性の低下といった経済的損失につながる。これに対しパッチアナライザーPA-250は、装置稼働中の使用油を簡単に分析し、その劣化要因を正確に判定することで、適切なメンテナンスをサポートする。
ろ過ユニット吸引ポンプを活用し、メンブランフィルターを用いて使用油をろ過(メンブランパッチ化)し、本体に装着するだけでRGB値を測定できる。装置に装着したメンブランパッチの表面と裏面に白色光を照射し、反射光と透過光の二つの方式でRGB値を測定。反射光で使用油の色を、透過光で使用油内に含まれる酸化生成物の量を判定。数値化されたデータをもとに、使用油の劣化要因(酸化や汚染など)や適切な交換時期の判断が可能になる。これにより、機器のパフォーマンスを維持しつつ、メンテナンスコストの削減や生産性向上が期待できる。
PA-250計測原理
東陽テクニカでは、本製品を通じて、工場設備の保守管理をはじめ、さまざまな産業分野において、より効率的で的確なオイル管理に貢献していく考えだ。
PA-250の主な特長は以下のとおり。
・反射光と透過光を併用した計測
・対象オイルをメンブランフィルターでろ過し簡単測定
・USB充電方式によるコードレス運用
・USB接続でPCへデータ転送
主な用途は以下のとおり。
・軸受や軸受オイルの管理、メンテナンス
・作動油の管理、メンテナンス
・潤滑油の劣化分析
・オイル劣化の数値化、研究
PA-250計測時の画面イメージ
東陽テクニカ、色彩・光沢の測定が可能な自社開発のカラーアナライザーを6月に発売
東陽テクニカは、自社開発のカラーアナライザー「CA-200」(https://www.toyo.co.jp/onetech/products/detail/id=43665)を、6月2日に販売開始する。LED光源を採用し、測定時のみ点滅することで電力消費を抑えながら高精度な色彩・光沢の測定を可能にする。従来の金属製で強力な光源を使用した製品と比較すると、樹脂成形でLED光源を採用することにより本体重量140gと非常に軽量で、さらにコードレスで使用できるため、ハンディ使用における長時間測定や広範囲・複数対象の測定に適している。販売予定価格は45万8000円(税抜き)。
CA-200本体イメージ
色彩の判定は、光の強度や色温度特性の影響を大きく受け、また、光沢に関しても視野角による影響があり、数値での定量化が困難とされている。これに対しCA-200は、これらの課題を解決するため、測定対象(サンプル)への入射光を均一にする積分球技術を採用した。
積分球は、内部で光を乱反射させることで均一な光をサンプルに照射し、より精度の高い光計測を実現する。また、装置内のデジタル色センサーはRGB波長の強度を正確に計測し、色調の数値化を可能にする。
さらに独自技術により、LED光源からの光は直接サンプルに当たることを防ぎ、球面内の反射材により乱反射を繰り返しながら均一化される。この均一な光をサンプルに照射し、反射光としてセンサーへ送ることで、高精度な測定が可能になる。
CA-200計測原理
CA-200は省エネルギーと高精度測定を両立させた測定機器として、さまざまな分野での活用が期待される。
主な特長は以下のとおり。
・再現性の高い計測結果
・積分球による全反射の平均化
・光沢面の試料にも対応
・USB充電方式によるコードレス運用
・本体が軽量で長時間の計測にも適応
・ワンクリックによる簡単操作
主な用途は以下のとおり。
・製品の彩色・光沢などの色管理
・液体染色や塗装の管理
・塗膜・塗料の色調・光沢など経年変化の研究
・製品補修時の色調・光沢管理
・金属熱加工製品に対する焼入れの均一性管理
NTN、特殊熱処理技術で高負荷容量化を実現した深溝玉軸受の自動車向け提案を開始
NTNは、独自開発した特殊熱処理技術「HA-C(High Antiwear and Capacity)」を深溝玉軸受に適用した「HA-C軸受」の提案を自動車市場などに向けて本格的に開始する。
HA-C軸受は、業界最高水準の高負荷容量化を実現する特殊熱処理技術HA-Cの適用により、軸受の小型・軽量化、高温寸法安定性や耐異物性、耐摩耗性の向上を実現する。同社では本商品を、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の駆動源であるe-Axleや、HEVおよび内燃機関車向けのトランスミッション、コンプレッサーなど自動車向けアプリケーションに幅広く提案し、各種車両の省エネルギー化に貢献していく。2030年度に15 億円/年の販売を目指す。
HA-C 軸受(左)と従来軸受(右)の寸法比較平行軸e-Axleにおける適用例(赤丸部分)
HA-Cは、材料に硬く微細な析出物を多数分散させる手法などにより、極めて高い表面硬さを与えることで高負荷容量化を実現する、同社独自の特殊熱処理技術。
本技術を適用したHA-C軸受は、従来品と同等の寿命を確保しながら、軸受の外径を約15%小型化、幅寸法を約30%小型化、質量を約55%軽量化することが可能となり、燃費・電費向上を目的としたe-Axleやトランスミッションなど各種自動車の駆動装置に使用される軸受の小型・軽量化ニーズに対応する。
また、燃費・電費向上に向けて、駆動装置に使用される潤滑油では摩擦抵抗を抑えるため低粘度化する傾向にあるが、潤滑油が低粘度化した環境下では、軸受の各部品同士が直接接触しやすくなるために、軸受の寿命低下や摩耗が起こりやすくなる。さらに、駆動装置内の異物が軸受に侵入して軸受を損傷させる可能性もあるが、HA-C軸受は長寿命化に加えて耐異物性と耐摩耗性も高水準で実現、これらの苛酷な使用環境にも対応できる。
NTNでは、2024年5月に本特殊熱処理技術の開発を発表して以来、ユーザーからHA-Cの適用による軸受の小型・軽量化や長寿命化に関する問い合わせや要望が多数寄せられ、本技術を適用した軸受の量産に向けた準備を進めてきたが、性能検証などを重ね、本格的にHA-C 軸受の提案を開始することとしたもの。
同社では、HA-C軸受を、e-Axleをはじめとする各種自動車向けアプリケーションの小型・軽量化や効率化などに最適な商品として提案を進め、自動車のさらなる省エネルギー化に貢献していく。また、小型・軽量化や耐摩耗性などの特長を生かして、自動車以外にも幅広い産業向けの商品への適用を目指した開発・提案も進めていく。
HA-C軸受の特長(同社標準軸受比)は以下のとおり。
1.高負荷容量:静的負荷容量2倍、重荷重条件における転動疲労寿命が8倍以上に向上。高負荷容量化により、小型・軽量な軸受への置き換えが可能(置き換え例:軸受外径 が約15%小型化、幅が約30%小型化、質量が約55%軽量化)
2.耐異物性:異物混入潤滑下における転動疲労寿命が4倍以上に向上
3.高温寸法安定性:環境温度150℃における経年寸法変化率を1/2以下に抑制
4.耐摩耗性:摩耗量を1/300以下に低減
スガツネ工業、高耐久・静音の樹脂ローラーガイドレールを発売
スガツネ工業は5月14日、一般の6ナイロンに比べ機械的強度、熱的特性、化学的性質、耐摩耗性に優れるMCナイロン製のローラーを採用したことで、高耐久・静音を実現する樹脂ローラーガイドレール「MRG30型」を発売した。自動機、医療機器、分析装置、工作機械など、用途は広範。
レールとキャリッジは別売りで、価格はレールが740円/本(長さ100mmの場合)、キャリッジが2000円/個。レール長さは6 種類(100〜2000mm )をラインアップしている。
樹脂ローラーガイドレール「MRG30型」
樹脂ローラーガイドMRG30型は、コンパクトな設計でありながら、水平荷重Fx において最大荷重260N、作動荷重200N に対応する高い耐荷重性能を備えている。荷重方向は、水平荷重FxおよびMz方向モーメントに対応し、縦使いも可能なため、さまざまな取付方向や用途に柔軟に対応する。
水平荷重・モーメントに対しローラーが荷重を受けるため、スムーズな作動を実現
また、レール込みの高さは16.5mmと非常にコンパクトで、省スペース設計にも最適。
コンパクトな設計(断面図)
キャリッジには予圧がかかっており、ガタつきが少なく、滑らかで安定した動作を実現し。キャリッジは、独自のローラー配置により、従来の樹脂スライダーに比べて軽い操作感を実現し、スムーズに動作する。
搭載されているローラーはMCナイロン製で、高い耐久性を誇るほか、静音性にも優れた構造となっており動作音を抑えた静かな運用が可能。
青色のローラーはMC ナイロン製で高耐久
また、ローラータイプのため、ボールクリープ現象が発生せず、安定したガイド性能を維持する。
200mm/secの速度で100mmを50万回往復させる耐久試験(総走行距離100km)を実施し、信頼性の高い性能が確認されている。
上下搬送にMRG30形を使用した例