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JCU、工場内で廃液処理ができるプリント基板用DFRはく離薬品
JCU( https://www.jcu-i.com/ )は、プリント基板などのめっきパターン形成に用いる無機アルカリ系のドライフィルムレジスト(DFR: Dry Film Resist)はく離薬品を開発した。
DFRはく離薬品は、基板上に銅配線(回路)を形成する際に、型枠として使用した樹脂フィルム(DFR)を除去するための薬品。環境負荷の高い有機系のアミンに代わって無機系の薬品が使われるようになっているが、はく離性能と、廃液の排出基準指標であるCOD(化学的酸素要求量)の高さが課題となっている。そこで同社は、「ユーザーの工場内で廃液処理ができること」を目指し、微細な配線でのはく離性能と両立させた無機アルカリ系のはく離薬品を開発した。
具体的には、DFRに浸透性の高い成分を使用し、はく離性能を従来の無機系薬品より向上させたうえに、CODを同社従来品に比べ約15分の1に抑え、外部業者に委託せずに廃液処理をできるようにした。これにより、水質汚染の抑制に寄与している。
同品は、廃水規制が厳しくなることが予想される中国をはじめ日本、台湾、ベトナムなどへの拡販を目指す。まず年3億~5億円の売上を目標にシェア拡大を図るという。
工場内での廃液処理は、中和、凝集剤による沈降処理によって行う。水中の被酸化物質を酸化するために消費される酸化剤が少量で済む低COD薬品のため、業者に委託せずに処理することが可能となり、処理コストが低下する。同社はCSV(共通価値の創造)、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献を見据えながら、主力製品である硫酸銅めっき薬品に加え、半導体パッケージ基板、プリント基板製造に欠かすことのできない表面処理薬品のラインナップを強化していく。
プリント基板製造における配線形成フローの一部DFRはく離処理試験結果admin 2020年8月5日 (水曜日)
不二越、ハイブリッド真空脱脂洗浄装置を発売
不二越( https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/ )は、高品質な洗浄と環境負荷の低減を両立できる炭化水素系の真空脱脂洗浄装置「クリーンマスターシリーズ Hi NVD-10」を開発した。本年8月から市場投入する。
クリーンマスターシリーズ Hi NVD-10
価格は5000万円(標準本体価格/税抜)で、電機・電子部品、金型等の真空熱処理前洗浄などが行われる熱処理分野やプレス、深絞り部品の熱処理前後洗浄などが行われる自動車分野、重電、船舶等の大型重量部品の脱脂洗浄などが行われる産業機械分野などを対象に年間10台の販売を目指す。
工業製品の脱脂洗浄では、部品の精密化などによる難洗浄化や、洗浄液の環境配慮が課題となっている。現在多用されている水系・準水系洗浄剤(アルカリ性洗浄剤)は比較的安全性が高く低コストだが、脱脂洗浄力は低く、廃液処理が必要となる。一方で、溶剤系洗浄剤(塩素系やフッ素系、臭素系)は洗浄力が高く乾燥性も良いとされるが、環境負荷が高い。こうしたことから今後は、高品質な洗浄と、環境負荷の低減を両立できる「炭化水素系洗浄装置」の需要が、さらに高まると予想されている。
こうした背景から不二越では、炭化水素系洗浄のハイブリッド真空脱脂洗浄装置「クリーンマスターシリーズ Hi NVD-10」を開発、市場投入を決めたもの。
特徴は以下のとおり。
(1) ハイブリッドで強力洗浄:1次シャワー、浸漬、2次シャワーの3段階洗浄を基本に洗浄性を確保するほか、専用循環ポンプを追加したことで循環加温を用いた洗浄を可能にし、洗浄力を強化できる「浸漬洗浄(トリプル洗浄)」と、微細穴、複雑形状などでも強力洗浄できるほか、シャワー洗浄を組み合わせることで深穴形状など洗浄液が届きにくいワークの洗浄に効果を発揮する「蒸気洗浄」の2種類の洗浄機能を標準装備し、高品質な洗浄を実現
(2) 環境負荷を低減:炭化水素系洗浄剤の使用に加え、洗浄剤の保有量も約20%削減(従来機NVD-10E比)することで、高い洗浄性と環境負荷の低減を両立
(3) コンパクト設計:設置面積約14m2、従来機比△8%のコンパクトな設計
装置の仕様は、有効寸法が幅760mm×奥行1220mm×高さ760mm、処理量が最大1000kg/GROSS CHARGE(蒸気洗浄400kg)、洗浄時間が約25分(基本設定:トリプル洗浄)、洗浄液保有量:炭化水素系溶剤(第三石油類)1500L。
kat 2020年8月5日 (水曜日)