メインコンテンツに移動

Aggregator

日本精工、英スペクトリス社からCMS事業を買収

4年 8ヶ月 ago
日本精工、英スペクトリス社からCMS事業を買収 in kat 2021年01日04日(月) in

 日本精工(NSK)は、Brüel & Kjær Vibro(ブリュエル・ケアー・バイブロ、BKV)ブランドで知られるコンディション・モニタリング・システム(CMS)事業を買収することを決議し、BKV事業の所有者である英国のスペクトリス社と譲渡契約を昨年12月10日に締結した。

 近年、設備や製造ラインの保全手法として、設備や製造ラインのコンディション・モニタリング(状態監視)により得られた情報を分析し診断する「予知保全」が注目されている。予知保全は保全だけでなく生産性向上や品質改善への貢献が期待され、デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進の重要性が叫ばれる中で、生産革新の手段としても注目されている。

 NSKの軸受をはじめとする主力製品は、設備の機能・性能を支える重要部品で、これまでに蓄積した豊富なデータ・技術・知見が予知保全を実用化するための鍵となる。こうした背景から、同社では、第6次中期経営計画(2019-2021年度)において、成長への新たな仕掛けとして「CMS事業の構築」を掲げている。具体的には、故障診断・余寿命診断の技術サービスを起点に、設備が抱える問題点や課題のソリューションを提供する「コト売り事業」にまで展開し、幅広い産業の発展へのさらなる貢献を目指した研究開発と事業開発を進めている。

 NSKでは今回、中期経営計画の実行施策の加速・拡大を狙い、同社CMS事業構築のプラットフォーム(土台)とすべく、CMS市場の専業大手で今後も急速な成長が見込まれるBKV事業を買収することを決めたもの。BKV事業は、内山俊弘社長直轄の自律型組織となり同社リソースも活用することで、より迅速で積極的な事業展開が可能となる。

 同社では、BKV事業を当社CMS事業の成長ドライバーと位置づけ、BKVの優良な顧客基盤、技術、信頼のブランド、CMS人材、事業開発に不可欠なビッグデータへのアクセスなどを活用することで、CMS事業開発を加速させ、自動化・省人化・スマート化・環境対策等の社会的ニーズへの対応力を一層強化していく考えだ。

 内山NSK社長は、「BKV事業が当社の一員となることで、CMS事業のプラットフォームが構築できる。成長著しいCMS市場において、今後さらなる成長を目指していく」とコメントしている。

kat

ジェイテクト、長寿命、Siフリーの腐食環境用深溝玉軸受を開発

4年 8ヶ月 ago
ジェイテクト、長寿命、Siフリーの腐食環境用深溝玉軸受を開発kat 2021年01日04日(月) in in

 ジェイテクトは、厳しい腐食環境下で使用する特殊環境用軸受として、世界初となるアルミナジルコニア複合材料を使用した「コロガードプロベアリング®-AZ」を開発、耐食軸受シリーズとして展開中の「コロガードプロベアリング®」シリーズに新たにラインナップした。

 同社国分工場および四国工場で2023年をめどに量産を開始する予定で、腐食環境(溶液やガス環境)でのメンテナンス軽減を求めるユーザーに提案を進め、6000万円/年の売上を目指す。

コロガードプロベアリング開発品イメージ

 

 半導体製造装置の一部には、セラミック軸受が使用されているが、腐食ガス中や溶液がかかる環境で使用されるため、材料の窒化ケイ素が腐食し、摩耗が促進されることで軸受が劣化してしまうという問題があった。

 半導体製造現場では、その需要の増加に伴い、生産性の向上や安定生産を実現するため、メンテナンス回数の削減が大きな課題となっており、溶液や腐食ガス環境下でも腐食しない長寿命軸受の開発が求められていた。

 同社ではこれまでも、薬液中や水中でも腐食せずに使用できる窒化ケイ素を用いたセラミック軸受や、耐食軸受シリーズとして「コロガードプロベアリング®」を展開しているが、従来のラインナップに加え、今回、窒化ケイ素やジルコニアが使えない強い酸環境においても使用可能な「コロガードプロベアリング®-AZ」を開発したもの。

 開発品では、軸受の材料として世界で初めてアルミナ-ジルコニア複合材料を使用したことで、窒化ケイ素が使えない厳しい酸性環境下での使用が可能で、その耐久性は炭化ケイ素(SiC)よりも高く長寿命を実現している。

 開発品はSiフリー(Siを含まない)材料の軸受ながら、SiCと同等の高い耐食性と、SiCの1.2倍という耐荷重性を両立するため、軸受交換周期が延長されることで、ユーザーのメンテナンスコストの削減に貢献できる。

JTEKTセラミック軸受の性能イメージ


 

kat