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NEDOプロジェクト、銅を高速・精密にコーティングできるハイブリッド複合加工機を開発

5年 2ヶ月 ago
NEDOプロジェクト、銅を高速・精密にコーティングできるハイブリッド複合加工機を開発

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、大阪大学、ヤマザキマザック、島津製作所と共同で、高輝度青色半導体レーザーを活用し、銅を高速・精密にコーティングできるハイブリッド複合加工機を開発した。

 青色半導体レーザーは、金属に対する吸収効率が高く、従来の近赤外線レーザーでは困難だった金や銅などの加工に適しているため、金属向け次世代加工機の光源への応用が期待されている。特に、銅素材は、高熱伝導性や高電気伝導性を持つことから、高い精度が要求される航空・宇宙・電気自動車など多くの産業からの活用が期待されている。また、銅あるいは銅合金は、古くから細菌に対して殺菌・抗菌作用、ウイルスに対しては不活化作用があることから細菌やウイルスによるリスクを低減させる有効な方法の一つとして知られており、病院、介護施設、学校、電車などのあらゆる施設で手すりやドアノブなどへの利用が期待され、すでに一部の施設では利用されている。手すりなどの銅製品は、バルク材(素材)からの削り出しや鋳造などで製作されているが、銅材料の使用量が多く、価格も高くつくことから普及には課題があった。

 これらを解決する方法として、表面や必要な部分だけに銅をコーティングする技術が有効となる。NEDOのプロジェクトでは、金属の精密レーザーコーティングを可能とするマルチビーム加工ヘッドを開発したが、青色半導体レーザーの出力は当初20W程度で総出力も100W程度だったため充分なコーティング機能はなかった。

 今回、研究グループは200W高輝度青色半導体レーザーを3台装着した600W級マルチビーム加工ヘッドを搭載することで、レーザー集光スポットにおける高いパワー密度が達成でき、ステンレスやアルミニウムなどの金属材料への銅のコーティング速度が従来に比べて6倍以上に向上した。これにより人が接触する金属製の手すり、取っ手やドアノブなどに銅をコーティングすることで、細菌・ウイルスによるリスクを低減する公衆衛生環境の実現や、航空・宇宙・電気自動車などの産業で必要とされる高精度な部品加工への活用も期待できる。

高輝度青色半導体レーザーマルチビーム加工ヘッドを搭載したハイブリッド複合加工機

 

admin 2020年7月2日 (木曜日)
admin

パテント・リザルト、鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界の他社牽制力ランキング2019

5年 2ヶ月 ago
パテント・リザルト、鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界の他社牽制力ランキング2019

 パテント・リザルトは、鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界を対象に、2019年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2019」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになるという。その結果、2019年に最も引用された企業は、住友電気工業、次いで日本製鉄、日立金属となった。

 1位 住友電気工業の最も引用された特許は「自動車用制御装置」に関する技術で、矢崎総業の計6件の審査過程で引用されている。このほかには「電気絶縁ケーブル」に関する技術などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2019年に住友電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業(115件)、次いでデンソー(64件)、トヨタ自動車(52件)となっている。

 2位 日本製鉄の最も引用された特許は「耐食性に優れたZn−Al−Mg−Si合金めっき鋼材およびその製造方法」に関する技術で、JFEスチールなどの計5件の審査過程において引用されている。このほかには「点検支援装置、点検支援システム、点検支援方法、及び点検支援プログラム」に関する技術や「成形部材の製造方法」に関する技術などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2019年に、日本製鉄の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、JFEスチール(149件)、次いでPOSCO(65件)、神戸製鋼所(35件)となっている。

 3位 日立金属の最も引用された特許は「金属微粒子の製造方法、金属微粒子を含む金属ペースト、並びに金属ペーストから形成される金属被膜」に関する技術で、バンドー化学の「接合用組成物及びそれを用いた金属接合体」関連特許など、計5件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2019年に、日立金属の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、住友電気工業(39件)で、古河電気工業(29件)、三菱電機(23件)となっている。

 そのほか、4位 JFEスチールは「熱間プレス成形用めっき鋼板の製造方法」、5位 古河電気工業は「半導体チップの製造方法およびそれに用いる薄膜研削用表面保護テープ」が、最も引用された特許として挙げられる。

鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング201

 

admin 2020年7月2日 (木曜日)
admin