Aggregator
ヤマダホールディングス/昇降幅を拡大 電動テレビ台
航空宇宙ビジネス・フロンティアへの挑戦(94)AstroX ロケット空中発射
横顔/日銀広島支店長に就任した片桐大地氏
論説室から/夏の財界セミナーで サカナAIにみる経済の活力 論説委員・神崎明子
主張/中小経営課題をAIで解決 公認会計士・工学博士 高松邦明
講壇/“経営学の一番星”加護野忠男先生を偲ぶ 静岡文化芸術大学教授・曽根秀一
不変と革新 長寿経営に向けて/ポーライト 「やってみせ」で信頼得る
リケジョneo(318)オムロン・竹沢日菜子さん
卓見異見/サノヤスホールディングス会長・上田孝
著者登場/小柴満信氏『2040年 半導体の未来』
書窓/learningBOX取締役・森和宏氏『100万回生きたねこ』生き方決めるきっかけに
新刊/永谷顕著『非IT人材で成果が出る DX成功ルール』
新刊/近藤悦康著『日本一学生が集まる中小企業の秘密』
紀伊国屋書店ベストセラー
材料相場表/PDFで公開
SEAJ、半導体製造装置の需要予測を公表、2026年度に5兆円超えへ
日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:河合利樹・東京エレクトロン社長)は7月3日、2025年~2027年度の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測を発表した。半導体製造装置について、2025年度の日本製装置販売高は、ロジック・ファウンドリー投資に一部で減速感が見られるものの、台湾ファウンドリー向け2nm (GAA)投資の本格化、HBMを中心としたDRAM投資の底堅さにより前年度比2%増の4兆8634億円と予測した。2026年度は台湾以外の地域でも2nm投資が開始され、DRAM投資も引続き伸びが期待されることから、10%増の5兆3498億円とした。2027年度もAI 関連の需要は高水準で続くため、3%増の5 兆5,103 億円と予測した。2024年度に4兆円超えを達成したが、早くも2026年度で5兆円超えを見通している。
需要予測の背景となる半導体産業の見通しWSTS(世界半導体市場統計)によれば、2024年の世界半導体市場は、前年比19.7%増の6305億ドルとなった。AIサーバー向けGPU市場の拡大や、2023年に下落していたメモリー価格が2024年秋にかけて大きく回復したことにより、2022年の過去最高値5741億ドルを更新した。6月に発表された市場予測では、2025年全体で11.2%増加の7009億ドル、2026年も引き続き8.5%の増加が予想されており、3年連続で最高値を更新する見込みである。
メモリー各社の業績は、2023年Q1 (1~3月)のボトムから2024年秋頃まで連続して上昇を続けたが、その後の単価下落やHBM事業の構成比率の違いによって、業績には若干のばらつきが見られるようになった。2025年春からはDRAM、NANDフラッシュともに単価が上昇基調に転じているが、米国の関税政策に対する前倒し発注の影響もあり引き続き注視が必要である。
台湾の先端ファウンドリーでは、いよいよ2nmの本格量産が開始され、2026年からフラッグシップのスマートフォンへの搭載が始まる見込みである。AIサーバー向けGPUとHBM の需要も旺盛であり、データセンターの消費電力抑制と演算能力の両立を図るためにも、次世代品への移行が必須となっている。現在、特定企業に需要が集中するGPUも、参入企業の増加により、選択肢が広がると予想する。
米国関税動向の不確実性もあり、車載・パワー半導体の需要には慎重な見方が多い。この分野の本格的な回復は2026年以降となる可能性がある。
2025 年度の半導体製造装置市場については、台湾の2nm投資、韓国のDRAM・HBM投資が増えるため、全体としては高い水準が維持される。また、2024年度に比べて中国の比重は相対的に低下すると思われる。
2026年度は台湾以外の企業でも2nmのロジック投資が増加し、後半には日本でも2nmの量産に向けた投資が期待される。メモリーではAIサーバー向けに、好調なHBM に加えて、NANDフラッシュでも300層以上の世代や、高速化の要求を満たすためのWafer貼り合わせの投資が増える見込みである。
2027年度にはAIサーバーの需要に加えて、スマホ・PCの分野でもオンデバイス(エッジ)AI搭載製品が世界市場の半数近くを占めると見られる。AI向け半導体の需要拡大と、高性能化や低消費電力化、大容量化に向けて、GAA構造の更なる進化、BSPDN (Back Side Power Delivery Network)の採用、高積層メモリー、などの技術進化に伴う先端投資が期待できる。
世界半導体市場は2024年の6305億ドルから2030年には1兆ドルに到達すると予想されており、半導体製造装置も同様、中期的に高い成長が見込まれる。
日本製半導体製造装置の販売高予測
ロジック・ファウンドリー投資に一部で減速感がみられるものの、台湾ファウンドリー向け2nm投資の本格化、HBM を中心としたDRAM投資の底堅さにより前年度比2%増の4兆8634億円を予測した。前年比の伸び率としては、2024年度が(2025年1月時の)予想値「20%増」に対して、実績が「29%増」にまで上振れて着地した影響もあり、2025年度としては横ばいから微増を予想している。
2026年度は台湾以外の地域でも2nm投資が開始され、DRAM・HBM投資も引続き伸びが期待され、AIサーバー向けのNANDフラッシュ投資も加わることから、10%増の5兆3498億円とした。2027年度もAI関連の需要は高水準で続くため、3%増の5兆5103億円と予測した。
日本市場における半導体製造装置の販売高予測
2025年度は車載とパワー半導体が落ち込むが、NANDフラッシュとDRAMで先端技術を使った投資が行われることから、15.0%増の1兆4399億円と予想した。2026年度もメモリー投資は堅調が予想され、大手ファウンドリーの第2期投資やCMOSイメージセンサー投資、後半には2nmの量産に向けた先端投資も開始されることを期待し、22%増の1兆7567億円と予測した。2027年度も高い水準で投資が継続されるため、5%増の1兆8446億円を予測した。
NECとグーグル・クラウド・ジャパン、AIエコシステムで連携
エボニック、エポキシ硬化剤生産拠点の電力供給を再エネに全面移行
エボニック インダストリーズ(エボニック)は、クロスリンカー部が運営するエポキシ硬化剤生産工場で使用する電力を100%再生可能電力に切り替えることで、サステナビリティへの取り組みをさらに強化している。
対象となる工場は、ドイツのマール、英国のクレイトン、日本の伊勢原、米国のロサンゼルス、シンガポールの各拠点。この重要なマイルストーンにより、エポキシ硬化剤生産施設は、スコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量を年間で約1/3削減することが可能となる。これは、2030年までに両スコープの排出量を25%削減し、さらに、2050年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)の実現を目指すという、エボニックのサステナビリティ戦略に沿ったもの。
同社クロスリンカー部のグローバル・サステナビリティマネジャーを務めるトビアス・ヴィンクラー氏は、「世界中のエポキシ硬化剤の生産拠点でグリーン電力を導入するという今回の決定は、当社のサステナビリティへの取り組みにおいて、また一つ、重要な一歩を踏み出すことができた。再生可能エネルギーへ移行することで、二酸化炭素排出量の削減だけでなく、当社の長期的な気候目標に沿った革新的な取り組みの道を切り拓いている」と述べる。
この取り組みは、エボニックのグリーン電力と持続可能なエネルギー調達に対する強いコミットメントに基づいて実施されている。今年に入り、クロスリンカー部は、グリーン電力証書取引および再生可能電力供給契約の締結を通じて再生可能エネルギーの確保を開始し、その結果、エボニックのエポキシ硬化剤の生産拠点の稼働は、すべてグリーン電力で行われるようになった。
同社エポキシ硬化剤事業部のシニアバイスプレジデントを務めるクリスティナ・ウォ
ルコサック氏は、「当社は、持続可能な製品群の強化を継続して行い、エポキシ業界の信頼できる長期的なパートナーとしての地位を確固たるものにしていく。世界中のエポキシ生産工場で再生可能エネルギーを採用することで、二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、顧客の持続可能性に対する高い要求にも応え、エボニックの環境目標を大幅に前進させる」と語っている。
エボニックのエポキシ硬化剤は、コーティングおよび建設業界における重要な原材料で、高性能複合材料や接着剤に幅広く使用されている。