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出光興産、データセンター向け液浸冷却油を発売

3週 1日 ago
出光興産、データセンター向け液浸冷却油を発売kat 2026年02日10日(火) in in

 出光興産は、高性能液浸冷却油「IDEMITSU ICFシリーズ」を発売した。高い安全性と低粘度化による冷却性能の向上を両立し、データセンターの省エネ化に貢献する。

 近年、通信インフラの高度化やデジタルサービスの普及・多様化に伴い、データ通信量が急増しており、高性能コンピュータサーバーを備えるデータセンターの設置が世界的に拡大している。また、コンピュータサーバーの演算処理装置(GPU)の高性能化による発熱量の増大が課題となっており、従来の空気冷却に代わる液浸冷却に注目が集まっている。

 液浸冷却は、電気を通さず、空気の30倍の熱伝達率を持つと言われる高性能液浸冷却油にサーバーを漬けて、効率的に熱を取り除く冷却方法で、液浸冷却は空気冷却に比べ冷却に要する電力を大幅に削減できることから、データセンターの消費電力低減につながる。

 IDEMITSU ICFシリーズは、同社が長年にわたり取り組んできた冷却油・電気絶縁油等の研究開発の技術・知見を集約し開発した製品で、以下の特長を有する。

・安全性と冷却性能の両立(高引火点・低粘度):液浸冷却油は、高引火点であるほど燃えにくくなるため安全性が高まり、低粘度になるほど冷却・放熱効果が高まるため冷却性能が向上する。一般的に高引火点と低粘度は相反関係にあるが、同社は厳選した基油と独自の添加剤処方により両立を実現し、安全性と冷却性能を兼ね備えた製品の開発に成功した

・メンテナンス効率の向上(無臭・低刺激性・高い透明度):
サーバー機器に影響を与えないことはもちろんのこと、無臭・低刺激性のためメンテナ
ンス時の負荷が少なく、加えて、透明度が高いため液浸時にサーバー機器の視認性を確保
できることから、メンテナンス効率の向上に寄与する。

IDEMITSU ICFシリーズによる液浸冷却のようす(試験機)


 

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Rtec-Instruments、ナノインデンテーションセミナーを開催

3週 1日 ago
Rtec-Instruments、ナノインデンテーションセミナーを開催

 Rtec-Instrumentsは2月2日、東京都葛飾区の東京理科大学でセミナー「ナノインデンテーションがわかる一日」を開催した。

開催のようす

 

 当日はまず、Rtec-Instruments日本法人社長の國井卓人氏が企業紹介と同社の多機能摩擦摩耗試験機MFT-5000を中心とするトライボロジー試験機、3Dプロファイラー、ナノインデンターを含む表面機械特性評価機器といった製品技術と採用実績などについて簡単に紹介した。

 続いて、東京理科大学 佐々木信也教授が「ナノインデンテーション法による薄膜・材料表面の測定技術とその活用法」と題して、ナノインデンテーション試験の基本原理から測定可能な機械的物性、測定値の再現性に影響するサーマルドリフトや圧子先端形状など校正が重要といった測定上のポイントについて解説したほか、Low-k材料のナノインデンテーション測定などの事例を紹介した。

基礎講義を行う佐々木氏

 

 また、CSM Instruments在籍時からナノインデンテーション試験に携わってきたRtec-Instrumentsスイス支社のPhilips Kempe氏が新型ナノインデンター「SMT-2000 PIQ」について、最新のピエゾアクチュエーターと静電容量センサー、試料に均一に接触して押し込むリング内圧子などによって正確な押込み制御が可能で、コーティング薄膜から金属、セラミック、ポリマー、バイオ材料など幅広い材料の機械的特性を評価できるという特長について説明。特にウルトラナノ領域のインデンテーション試験が可能なため、半導体分野での適用に有用とした。そのほか、Cu添加・Ti添加ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜などの機械的特性評価事例などを示した。

新型ナノインデンターについて説明するKempe氏

 

 その後、佐々木教授がセンター長を務める東京理科大学 トライボロジーセンターと佐々木研究室のトライボロジー試験機・分析機器の見学会とディスカッションが行われた。

装置見学のようす


 

kat 2026年2月10日 (火曜日)
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第11回固体潤滑シンポジウムが開催

3週 1日 ago
第11回固体潤滑シンポジウムが開催

 日本トライボロジー学会の産学協同研究会である固体潤滑研究会(主査:東京科学大学 平田 敦氏)は昨年11月27日と28日の両日、東京都江東区の産業技術総合研究所 臨海副都心センターで、「第11回固体潤滑シンポジウム」を開催した。11年ぶりの開催となる本シンポジウムでは、固体潤滑剤のメーカーや、自動車や宇宙機器といったユーザー、アカデミアなどから、各日とも約80名の参加があった。
 

開催のようす

 

 初日となる27日には、平田主査が開会挨拶に立ち、固体潤滑研究会が固体潤滑の応用を発展させるため、固体潤滑機構の解明、新しい固体潤滑剤の研究開発、新しい分野での固体潤滑の応用など幅広い視点で調査研究を進めている会であり、年数回の研究会の開催や『固体潤滑ハンドブック』の編集・発行といった活動内容を紹介した。
 

挨拶する平田氏

 

 続いて、基調講演をはじめ、以下のとおり講演がなされた。

基調講演

「固体潤滑入門」梅原徳次氏(名古屋大学)…『固体潤滑ハンドブック』を紹介・引用しつつ、硬質のCNX膜の上に軟質で低せん断のトライボフィルムが形成されるような理想的な固体潤滑システムについて、さらには軟質金属薄膜の潤滑機構について解説した後、CNX膜の構造変化層による超低摩擦、摩擦界面その場評価による固体潤滑機構の解明についての事例紹介を行った。
 

基調講演を行う梅原氏

 

セッション「平面層状物質」

1)「平面層状物質の潤滑作用発現機構と流体との複合効果」柏谷 智氏(住友金属鉱山)…固体潤滑粉末は従来、添加剤と見なされてきたが、平面層状物質と油分の複合によって相乗効果を見出したことから、平面層状物質の潤滑作用発現機構とともに、流体との複合効果について紹介した。

2)「インターカレーション法によって合成した有機変性マイカの潤滑メカニズムと冷間鍛造用固体潤滑剤への応用」大下賢一郎氏(日本パーカライジング)…長鎖アルキルアンモニウムイオンでへき開面を修飾した有機変性マイカのトライボロジー特性と、分光光度学的に解析した潤滑メカニズム、さらには冷間鍛造用固体潤滑剤として適用した場合の諸性能について解説した。

3)「ナノサイズ二硫化モリブデン「DIC-MoS2」を添加剤として用いた潤滑アプリケーション」小寺史晃氏・シティ マストゥラ氏(DIC)…独自手法により合成した数百nmサイズの高アスペクト形状の二硫化モリブデン(DIC-MoS2)をエンジンオイル、グリース、固体潤滑剤などに添加した際の効果について紹介。DIC-MoS2が潤滑添加剤として耐摩耗性向上や摩擦低減に寄与する可能性を示した。

 

セッション「カーボン」

1)「固体潤滑剤としてのナノカーボン」平田 敦氏(東京科学大学)…フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンというsp2混成軌道由来の代表的なナノカーボン材料について、それぞれのトライボロジー特性と潤滑のメカニズムについて概説したほか、ナノカーボンを潤滑剤として適用する際の付着性など、応用に向けての課題について示した。

2)「ta-C の摩擦により形成される固体潤滑性表面」加納 眞氏(Kano Consulting Office)…水素フリーDLC(ta-C)コーティングの歯車適用を目的とした基礎試験として、ta-Cと生分解性エステル油との組み合わせを用いて、三つの異なる条件で単体摩擦摩耗試験を実施した後のしゅう動面の状況や表面分析、トポグラフィーの変化を調べた結果として、ta-Cの機能性材料特性が超低摩擦および優れた耐摩耗性の主要因であることを示した。

3)「液相カーボンコート法の開発とトライボロジー分野における応用」郷田 隼氏(日本触媒)…微粒子に対しても極薄・均一なカーボンコートが可能な可溶性炭素材料と液相ナノカーボンコート技術を開発し、潤滑性や耐摩耗性、流動性の付与が可能となった。ここでは、シリカ球状粒子の転がり潤滑特性向上といったトライボロジー分野での応用例について紹介した。

セッション「高分子」

1)「高分子トライボマテリアルの研究動向と評価技術紹介」岩井善郎氏(福井大学)、神谷 周氏(大豊工業)…標記の研究動向を、トライボロジー会議予稿集を対象に調査し、ゴム、ポリマーブラシ、ハイドロゲルの研究が拡大し、樹脂材料はPTFEとPEEK、PA、UHMWPEとそれらの複合材料が多い結果を示した。また、固体潤滑剤とそれらを含有した樹脂材料の特性評価に関わる研究事例を樹脂材料の開発、固体潤滑の開発、新しい試験評価方法の観点から選択し紹介した。

2)「ポリイミド樹脂のトライボロジーとその応用」宮内卓也氏(デュポン・ジャパン)…スーパーエンプラの中でも最も優れた耐熱性、機械強度、電気的特性、耐環境特性、難燃性を有するポリイミド樹脂について、その歴史から始まり、その化学構造に起因する特徴とそれらを生かした、航空機部品や自動車部品、エレクトロニクス部品、一般産業部品などのトライボロジー応用事例について紹介した。

セッション「宇宙」

1)「高温・高真空下でのカーボン系硬質膜の低摩擦化」梅原徳次氏(名古屋大学)…耐熱性に優れるとされるa-C:B膜と耐真空性に優れるとされるa-C:H膜の摩擦特性の評価に加え、新たに提案したa-C:H:B膜の摩擦特性の評価、摩擦メカニズムの解明を行い、a-C:H:B膜が水素脱離を抑制し長寿命化することで宇宙環境におけるしゅう動面での使用に期待できると報告した。

2)「波動歯車装置における固体潤滑への取組みと粉体潤滑への挑戦」黒木潤一氏(ハーモニック・ドライブ・システムズ)…波動歯車装置の伝達効率を低下させる潤滑剤の撹拌抵抗という問題に対して、撹拌抵抗を抑制する固体潤滑としてMoS2粉体を用いて伝達効率を改善した事例を紹介。同粉体潤滑による宇宙用途(極低温環境)での可能性について示した。

3)「ロケットエンジンに欠かすことのできない固体潤滑剤」髙田仁志氏(宇宙航空研究開発機構)…極低温環境で高速回転が要求されるターボポンプ軸受などロケットエンジンにおける固体潤滑剤の役割や、宇宙開発で使用される固体潤滑剤の代表的な種類、シミュレーションによる性能予測が難しい固体潤滑剤を用いたトライボロジー要素に対する性能評価手法と運用などについて紹介した。

 2日目となる28日には、以下のとおり講演がなされた。

セッション「観察・分析技術」

1)「トライボ現象解明のための表面観察・分析技術」佐々木信也氏(東京理科大学)…トライボ表面は摩擦により機械的刺激を受けているため動的に変化していることから、本当の摩擦面の状態を知るにはIn-situあるいはオペランドと呼ばれるその場観察が必要とされる。ここでは、和周波発生分光分析(SFG)やラマン分光分析、周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)を活用した、摩擦面のその場観察事例を示した。
 

講演する佐々木氏

 

2)「各種分析法を用いたトライボロジー解析の実例」沼田俊充氏(日産アーク)…NOxガス吹き込みにより市販エンジンオイルを劣化させLC-MSによるオイル中の添加剤分析と摩擦試験後のトライボフィルムについてAFM、ラマン分光を用いて複合的に解析した事例を紹介した。LC-MSでは、各種添加剤の定性や含有量の変化を、AFMとラマン分光の複合解析では摩擦面突起部でのMoS2の面積率の算出による摩擦係数との関連性の評価が可能となると総括した。

セッション「シミュレーション技術」

1)「トライボ分子シミュレーションの概要と固体潤滑分野における適用例」鷲津仁志氏(兵庫県立大学)…分子シミュレーションによって解明されたグラファイトの低摩擦発現機構について、真実接触点でのグラフェンの熱回避運動や、グラフェンが移着片として存在しうる条件など低摩擦機構に関する研究成果について紹介した。そのほか、酸化グラフェンや高分子がグラフェンとは全く異なる摩擦機構を有し、全原子分子動力学では材料の違いによる摩擦発現の詳細を調べることができることなどを解説した。

セッション「鉄道」

1)「鉄道における固体潤滑剤の適用事例」久保田喜雄氏(鉄道総合技術研究所)…鉄道における固体潤滑剤の適用事例として路面制輪子・ブレーキライニングやパンタグラフすり板、車輪/レール間の潤滑剤、橋梁の支承、分岐器の床板の事例を紹介するとともに、路面調整子の開発や新幹線のブレーキ摩擦材に含まれる黒鉛の耐久性と摩擦係数の関係の調査、二硫化モリブデングリースによるトロリ線の摩耗低減といった、近年の研究開発動向を紹介した。

2)「車輪/レール接触境界の潤滑と摩擦制御」深貝晋也氏(鉄道総合技術研究所)…曲線区間では車輪フランジとレールゲージコーナーの摩擦で急速に摩耗することが、メンテナンス上の主要な課題となっているほか、急曲線区間では振動や騒音が発生する場合もあり、こうした状況に対処するため、車輪/レール接触部に潤滑剤や摩擦調整剤などを供給して摩擦の状態を制御する技術がある。ここでは、曲線区間の車輪とレールが接触する境界への潤滑や摩擦を制御する対策技術や鉄道総研での開発事例を紹介した。

セッション「テクスチャリング」

1)「新規固体潤滑材(ZnO、セリサイト)とテクスチャの相乗効果」宇佐美初彦氏(名城大学)…下地へのテクスチャ付与で固体潤滑剤の流出を抑制し摩耗を抑制しつつ低摩擦を維持できる可能性がある。特に無機系固体潤滑剤を金属素地に複合する際には化学的な結合が期待できないので、アンカー効果等による密着性向上に期待がかかる。ここでは、近年適用が検討されつつある酸化亜鉛(ZnO)やセリサイトといった無機系材料を軟質金属と複合させ、予めテクスチャを付与した金属素地上に成膜した表面の摩擦特性を評価した結果を報告した。

2)「往復しゅう動における凸テクスチャ上に成膜された軟質金属膜の耐食耐摩耗性改善」関 秀明氏(大同工業)…自動車タイミングチェーンの張力を維持しつつ振動を抑制する密着巻きしたゼンマイばね間の摩擦を利用し減衰力を得る機械式テンショナには、ばね表面には高い耐摩耗性と安定した摩擦力の維持が求められる。ここでは、ゼンマイばねのしゅう動面に凸テクスチャを形成し、その上に軟質金属の亜鉛を成膜した複合処理により、機械式テンショナの耐食性・耐摩耗性を向上できる可能性を示した。

3)「ボーナイトとテクスチャの相乗効果」佐藤知広氏(関西大学)…ボーナイトは銅鉄系の硫化物であり二硫化モリブデンのような固体潤滑特性を有し、かつ銅系合金の溶解時やアトマイズ時に合金化できる特徴を有する。ここでは、硫化物分散青銅合金に表面テクスチャを加えた際の相乗効果について紹介した。網目状に亜鉛をショットピーニングした後に錫をショットピーニングした試験片のしゅう動特性が、錫をショットピーニングしただけの試験片に比べ良好であったと報告した。

kat 2026年2月10日 (火曜日)
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