ジェイテクトは内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」の東京臨海部実証実験へ参画しているが、本年6月8日~7月16日の期間に羽田空港地域における自動運転の実証実験を実施した。
本実証実験で得られた成果を基に、技術をさらにブラッシュアップし、次世代型公共交通システムの実現へ寄与することで、高齢者や交通制約者などのモビリティ確保やドライバー不足の改善・コスト低減等の社会的課題の解決に貢献していく。
羽田空港第3ターミナルビルと羽田空港跡地第1ゾーンを結ぶ公道の実環境下において、磁気マーカ、ITS無線路側機を活用した公共車両優先システム(PTPS:Public Transportation Priority Systems)および信号情報提供、高精度3次元地図等を利用した実証実験を本年6月5日にスタート。
公共交通機関であるバスの定時性の向上、磁気マーカを活用した自動運転の実現、緩やかな加減速やバス停への正着制御などによる全ての人に優しく快適な運転自動化レベル4相当の次世代型公共交通システム等の実現を目指す。
今回の羽田空港地域における実証実験では、テストコース等における限られた条件での実験と異なり、実交通環境下の走行データを多く取得できた。
また、ジェイテクトの操舵アクチュエータは、油圧パワーステアリングシステムの特性を加味した制御最適化の機能も有している。
実験車両は、搭載された自動運転制御装置により、ルート上に埋設された磁気マーカやGNSS測位を活用して自車位置を把握し、事前に設定された走行軌跡と照らし合わせてアクセル、ブレーキ、操舵操作を実施し、既定のルートを周回した。
実験車両(日野ブルーリボンシティ)を使用し、羽田空港ターミナルビルに設置された仮設バス停を発着点として、Haneda Innovation Cityを経由する周回コース(約4km)の公道区間において自動運転走行を実施。実験期間中、発進、最大60km/hの走行、右左折、車線変更、正着制御による停車といった一連の走行パターンを繰り返し行い、磁気マーカやGNSSといった異なる測位方式による走行データも取得することができた。
今後は、実験データの解析を通して、技術、精度、社会的受容性に係る課題解決に向けた取組みをさらに促進し、関係機関と協調しながら、実用化と普及の加速を図っていく。