トヨタ自動車(トヨタ)、中国第一汽車(一汽)、東風汽車集団(東風)、広州汽車集団(広汽)、北京汽車集団(北汽)、北京億華通科技(億華通)の6社は、中国における燃料電池車両(FCV)普及を目的とした新会社「連合燃料電池システム研究開発(北京)」の設立に向け、合弁契約を締結した。
新会社では主に、中国におけるクリーンなモビリティ社会に貢献する商用車用の燃料電池システムの開発に取り組んでいく。総投資額は約50億1900万円で、出資比率はトヨタが65%、億華通が15%、一汽が5%、東風が5%、広汽が5%、北汽が5%。董事長にはトヨタ自動車(中国)の董長征氏が、総経理には同社の秋田 隆氏が就任する予定。2020年中に北京市内での設立を目指す。
中国では2016年に公表された「中国国家省エネ車及び新エネ車ロードマップ」に基づき、グローバルでも類を見ないスピードで商用車を中心にFCV市場が拡大しつつある。この変化の激しい中国市場においてFCVを普及、定着させるには、従来にないオープンな体制で、業界を挙げてFCV普及の基盤づくりに取り組むことが不可欠との考えのもと、志を同じくする6社連合で研究開発会社を設立することとなったもの。
商用車開発ノウハウや市場経験が豊かな中国を代表する完成車メーカーと、FCシステム開発の経験、市場での実績を有する億華通とトヨタがFCV普及に向けて手を組むことで、競争力があり、中国における各種規制にも適合した燃料電池システムを開発することが可能となる。
具体的には、6社協議で商品を企画し、中国での性能ニーズを満たす「FCスタック等のコンポーネント」、それを支える「FCシステム制御」、そして「車両搭載」までの一連の技術開発を一気通貫で行う。これにより、開発から製品化までのリードタイムを大幅短縮し、中国の商用車市場におけるFCV普及を各段にスピードアップさせることができると見ている。FCV普及に不可欠な動力性能・燃費・耐久性など商品力に優れ、低コストで競争力ある燃料電池システムと主要コンポーネントの開発にチャレンジしていく。