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ヤマハ、425馬力4ストローク船外機の国内販売を8月から開始

 ヤマハ発動機は、同社ラインアップの中で最大馬力となる、425馬力の4ストローク船外機「F/FL425A」の国内販売を8月に開始する。

F/FL425A:ホワイト仕様もラインナップ
F/FL425A:ホワイト仕様もラインナップ

 

 「F/FL425A」は、2018年夏に米国で先行発売し、北米市場から高い評価を得ている大型4ストローク船外機。パワーユニットにはV型8気筒、排気量5559cm3、最高出力425馬力のエンジンを採用、高負荷運転に対応する耐久性を高めながら、「ダイレクトフューエルインジェクション」や「内蔵型電動ステアリングシステム」を4ストローク船外機として初めて採用し、最高レベルのトルクとパワーを発揮する。

さらに同社が培ってきた船外機制御技術「ヘルムマスター」や「CL7」との組み合わせにより、高い利便性を有する。

 本船外機は、2018年に米国舟艇工業会(NMMA: National Marine Manufacturers Association)のイノベーションアワードを受賞している。

 大型船外機の主要市場である北米では、30フィートを超える大型ボートの推進機として主流であった船内機(インボード)や船内外機(スタンドライブ)に代わり、スピード性能と燃料経済性、メンテナンス性に優れ、さらに船内スペースが広く確保できる船外機が注目されている。

 「F/FL425A」は、こうした市場ニーズに応え、大型の外洋型ボートの主機として充分に対応するトルクとパワーを持ち、かつ耐久性に優れた信頼性の高い船外機として開発された。

また、ボートの大型化と船外機の複数台セットによって、操船に高いスキルが求められることから、ケーブルや油圧装置を廃した「内蔵型電動ステアリングシステム」を採用し、軽快で応答性に優れたステアリング特性を実現するとともに、ジョイスティックによる操船が可能な「ヘルムマスター」、7インチのタッチスクリーンカラーディスプレイ「CL7」との組み合わせなどにより、扱いやすく、操船のしやすいシステムを構築できる。

 日本市場においては、大馬力エンジンを必要とする大型プレジャーボートや漁業用和船、業務艇における推進機の換装を見込み、これらの市場に対して需要の喚起を図っていく。

主な特徴は以下のとおり。

・4ストローク船外機として初めてダイレクトフューエルインジェクションを採用し、燃焼効率を高め、卓越したトルクとパワーを実現。

・専用プロペラも同時に新規開発。翼面積を拡大し、十分な推進力を確保するとともに、旋回時のベンチレーション(船底からの空気吸い込み)を低減。信頼性の観点から、二相ステンレス鋼を採用することで、耐腐食性とキャビテーション(プロペラ表面圧力低下による気泡発生)耐力も向上。

・425馬力もの出力をプロペラに伝達するためのギアサイズは大きくなる一方で、水の抵抗は増加するため、本モデルでは、全面歯当たりする歯形形状を採用することで、小さいギアサイズでも、面圧を分散し、耐久性向上とサイズダウンの両立を実現。また、新たな形状のロアギアケースを採用することで、水中の抵抗を低減させ高速走行時、および旋回時の良好な安定性を確保しました。

・船外機では初の「内蔵型電動ステアリング」を採用、ステアリング操作に対してダイレクトに反応する操船性とリギング類の簡素化を実現した

・新たな排気構造を採用し、プロペラへの排気ガスの干渉を低減。後進時の推進力を高めることで、ヘルムマスターによる操船時の効率を上げ、離着岸など低速でのボート取り回しを容易にした

・90Aの発電容量を確保し、電化製品をはじめ、多様な航海計器、電子機器類の使用に対応した

・係留した状態でオイルの交換を可能とする新しい「水上ギヤオイル交換システム」を採用した。

・次世代の船外機として外観デザインを一新させ、伝統的な「船外機らしさ」「ヤマハらしさ」を継承しながらも、個性的でダイナミックなフォルムを採用し、ホワイトカラーをラインアップに追加した

・多分割構造のカウリングを採用し、外観のデザイン性とともにメンテナンス性、リギングの容易性を高めた