ハイウィンは、日本国内でのロボットの導入提案を強化している。
同社では先ごろ、繰返し位置決め精度±0.02mmの高精度と12インチウエハまで対応できる高剛性のウエハ搬送ロボット「RWS/RWDシリーズ」を開発、市場に投入した。
同ウエハ搬送ロボットでは、高価なDD(ダイレクトドライブ)モータをはじめACサーボモータ、ボールねじ、リニアガイドウェイといった主要コンポーネンツがすべて自社製のため、高性能ながらリーズナブルな価格を実現している。
中でも、減速機構を必要としないダイレクトドライブ方式を採用したDDモータは、モータと荷重とをクロスローラーベアリングを介して高剛性で結合、サーボドライバ制御により高い加速度と運動の安定性を実現する。中空軸を通してケーブルおよび関連アクセサリをつなげるため、自動化タスクなど幅広い用途を持つ。
同ウエハ搬送ロボットでは、この高精度・高剛性の自社製DDモータ採用による繰返し位置決め精度±0.02mmの実現により、その後の工程においてアライメントがスムーズになり、タクトタイム短縮につなげることができる。
さらに、ギヤがなくバックラッシュなしのダイレクトドライブ方式という非接触で経年劣化が少ない設計に加え、部品点数も少ないことから、メンテナンス工数も軽減できる。
エンドエフェクタはオプションで真空吸着、把持、反転と方式を選択できる。マッピングセンサは、スイープ機能を搭載し、オプションのマッピングセンサ使用時にはピックアンドプレースの前に、カセット内のウエハや基板の重なり、傾斜を検出する。小型で持ち運びやすいデザインのティーチングペンダントは、分かりやすいアイコンで簡単に操作できるほか、安全スイッチ付きで、ロボットの誤動作を防止する。
同社では同ウエハ搬送ロボットについて、シングルアーム、ダブルアームをラインアップしているほか、ウエハ搬送用途にとどまらず、PCB(プリント基板)搬送用途やガラス基板搬送用途のカスタム対応や、ロボット自体の搬送軸も仕様に合わせて提案しており、用途、数量は明かしていないものの、すでに数件の受注を得ているという。
同社ではこのほか、並列リンク機構の採用により自由度の高い運動を実現するDeltaロボット(パラレルロボット)「RD401」を提案。0.3sという短いサイクルタイムと繰り返し精度±0.05mmの高精度を実現。エンドエフェクタの交換により、高精度で迅速な移載作業や組立作業、整列作業、包装作業などに対応できる。
さらに、自社開発部品を用い、敏捷・高精度で自由度の高い運動を実現するスカラロボット「RS406」も提案。エンドエフェクタ交換により、プラスチック産業、自動車産業、電子産業、製薬産業、食品産業など幅広い分野における、平面作業環境での高速搬送・組み立てを実現する。
生産自動化に向けた各種ロボットの導入・応用が進む中、同社は直動案内機器やメカトロ機器のメーカーであるとともにロボット導入のシステムインテグレータとして、エンドユーザーのSI(システムインテグレーション)のニーズに対し、自社製の直動案内機器、モータ、ロボットのそれぞれを完全にマッチングさせた最適なトータルソリューションとして迅速に提供できるという強みをアピールしながら、ロボット事業の拡大に努めていく考えだ。