新明和工業( http://www.shinmaywa.co.jp )は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など難削材の加工を行う切削工具向けにダイヤモンドコーティング装置を開発、2019年4月から販売を開始する
今回開発したダイヤモンドコーティング装置は、熱フィラメントCVD方式を採用し、これまで同社が真空事業で培った技術力を生かした独自設計と、「被コーティング材」と「用途」それぞれに合ったコーティングレシピを完成させ、耐摩耗性と密着性の高いダイヤモンドコーティングを実現した。
ダイヤモンドコーティングは、難削材であるCFRP、グラファイト、アルミニウム合金、超硬合金向けの切削工具、特殊なメカニカルシールや超硬金型に適用されている。現在、国内では、ダイヤモンドコーティング装置を製造・販売するメーカーが少なく、国内の工具メーカーをはじめ、ダイヤモンドコーティングのユーザーの大半が欧米のメーカーから導入している。同社では国内メーカーによる装置の提供および迅速なサポートをメリットに拡販を図っていく考え。
また、同社の航空機事業においては、大手航空機メーカー向けにCFRP製品を供給しており、ダイヤモンドコーティング工具を大量に消費していることから、高コストのダイヤモンドコーティング工具の寿命向上がコストダウンにもつながるため、社内での技術貢献も視野に入れて今回の開発に着手したという。
さらに、2015年から販売しているイオンエッチング装置が、超硬素材上のほぼすべてのコーティングを除去できることから、今回開発したダイヤモンドコーティング装置がラインアップに加わることで、成膜から除膜まで超硬工具の再生に必要な表面処理技術について、一貫した提供が可能となった。
新明和工業が開発したダイヤモンドコーティング装置