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日立金属、ステンレス鋼ピストンリング材のグローバル供給体制強化

ステンレス鋼ピストンリングステンレス鋼ピストンリング 日立金属は、自動車エンジン向けのステンレス鋼ピストンリング材の需要拡大に対応し、日本と中国での増産体制を確立する。今後の内燃機関の要求に適合した、ステンレス鋼ピストンリング材の供給体制を強めることで、同社特殊鋼事業における自動車部品分野をグローバルに伸長させていく考え。

 同社は、自動車、産業インフラ、エレクトロニクス関連分野において、グローバル市場でのさらなる成長を目指している。この中でも特に、自動車を中心とした環境親和型製品を成長ドライバーと位置付けて、重点施策としてグローバル拡販に取り組んでいる。

 ピストンリングは、エンジンのピストンとシリンダーの間に取り付けられるリング状の金属で、内燃機関に使用されている。ステンレス鋼以外に、鋳鉄やシリコンクロム鋼、炭素鋼などが材料として使用されているが、近年、燃費向上や環境規制を背景に、高強度で耐摩耗性のあるステンレス鋼のピストンリングが注目されている。欧州や中国・アジアを中心とする海外市場では、ステンレス鋼ピストンリングの取り扱いが活発に進んでおり、需要も高まっているという。

 こうした中で、今後も持続的な成長が期待できる自動車関連分野における事業の強化を目的に、新たに国内の安来工場、中国の製造拠点である日立金属(蘇州)科技に総額25 億円規模の投資を行い、グローバル増産体制を強化する。

 今回増設する製造ラインは、ピストンリング材をはじめとした幅広い分野に使用できる設備。特に中間工程にあたる熱処理炉に、同社が開発した独自の技術を取り入れることにより品質の向上やリードタイムの短縮を図っている。