大同特殊鋼は、世界の主要ジェットエンジンメーカーである米・Pratt & Whitney社(P&W社)から、民間航空機ジェットエンジン(PW1000Gシリーズ)用のニッケル合金製鍛鋼品(シャフト)に対して製造認定を受け、渋川工場(群馬県渋川市)において量産製造を開始した。
製造認定を受けた対象は、①素材として、民間航空機ジェットエンジン用高速回転体に使用されるニッケル合金②製品として、民間航空機ジェットエンジン(PW1000Gシリーズ)用鍛鋼品(シャフト)、の2点。
該当のニッケル合金仕様は、ジェットエンジンのシャフト、ディスクなど、このカテゴリーの中で最上級の管理が求められる部品に適用できる仕様となっている。また、この鍛鋼品(シャフト)が使用されるジェットエンジンPW1000Gシリーズは、エアバス社A320neo、三菱航空機MRJ、ボンバルディア社Cシリーズ、エンブラエル社E-Jetシリーズ、その他の航空機に搭載される。
大同特殊鋼は今回P&W社から、アジアの超合金製造メーカーとして初めて、高速回転体用ニッケル合金素材について製造認定を受けた。また、P&W社が素材の製造認定において、新規メーカーを認定するのは50年超ぶりになるという。
大同特殊鋼では、マルエージング鋼や構造用鋼などを素材とする、民間航空機ジェットエンジン用鍛鋼品の供給において、およそ30年の歴史と、世界シェアのおよそ30-40%(同社推計)を有しているという。また、2016年に世界最大級の25t 真空誘導炉(VIM)を導入し、ニッケル合金の製造能力拡大を進めており、今回量産を開始したエンジンシャフトについても、25t VIMでの製造認定取得に向けた試験製造を進めている。