愛知製鋼と日本発条は、自動車の軽量化・燃費改善に寄与する「高強度板ばね用鋼 AUP30NS」を共同開発した。
トラックのサスペンションに使用する板ばね用鋼は、車軸の位置決めと、タイヤから車体への衝撃を吸収する役割があることから優れた強度と靭性を必要としているが、従来、高強度化するために鋼の硬さを高めると、靭性が低下してしまうことが課題であった。
今回、両社で共同開発した高強度板ばね用鋼は、高硬さ領域において優れた靭性を発揮する独自の成分設計と、鋼材製造から板ばね成形プロセスにおいてチタン炭窒化物を析出制御し組織の微細化を可能としたことにより、世界最高レベルの強度と、現用鋼以上の優れた靭性の両立を実現した。これにより、重ね板ばねの枚数を減らすなどの軽量化も可能となる。
トラックをはじめ重量車に対する日本の排出ガス規制は、世界で最も厳しい水準にあり、部品1点ずつにおける軽量化ニーズは極めて高い。排出ガス規制において日本に続く欧米においても、今後そのニーズはますます高まることが予想されることから、燃費改善も合わせ、同品
は日本国内のトラックメーカー以外にもグローバルで需要増加が期待されるという。
愛知製鋼と日本発条が開発した高強度板ばね用鋼の特徴