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三菱マテリアル、切削工具の技術サポートを提供する「中部テクニカルセンター」来春新設

 三菱マテリアルの加工事業カンパニーは、切削加工ユーザーの技術サポートを目的に、CAM/CAE解析・シミュレーション、切削試験、切削工具の選定とその利用技術の支援(以下、ツーリング支援)、教育研修といった切削工具の総合的なソリューションを提供する中部テクニカルセンターを来春、岐阜製作所内に新設する。

 同社は、切削加工ユーザーへの技術サポートの拠点として、国内ではさいたまオフィス内に加工技術センターを設置するとともに、海外でもアメリカ、スペイン、中国、タイにテクニカルセンターを展開している。2010年に開設した加工技術センターでは、切削加工ユーザーに対し、同社が長年培ったノウハウ、技術を最新の工作機械、測定・分析機器、ソフトウェアを駆使して提供してきた。その経験を活かし、今回、自動車・航空宇宙産業の一大集積地として発展する中部圏および西日本の顧客に向けて、国内第二の技術サポート拠点として中部テクニカルセンターを新設し、同地域における切削工具の総合的なソリューション提供力強化を図る。

 中部テクニカルセンターでは、高精度マシニングセンタ、複合加工機、自動盤など、それぞれ仕様の異なる10数台の最新加工設備を導入する。切削加工ユーザーから相談された部品の材質、形状および使用の工作機械を踏まえた切削加工のCAM/CAE解析・シミュレーションを行うことで、部品ごとの加工方法を提案するとともに、要望に応じて加工条件を展開し、ユーザー立会いのもとで切削試験を実施することも可能。また、標準工具だけでは解決できない加工や、よりユーザーニーズに適した加工を行うための工具開発・ツーリング支援も併せて実施することにより、最適かつタイムリーに製品・サービスを提供する。同社は、オープンラボとしての機能を併せもつ加工技術センターおよび中部テクニカルセンターを基点にユーザー視点に立った製品・サービスを提供するため、切削加工ユーザーとのオープンイノベーションを積極的に推進し、数年先を見据えた加工技術開発を進めていく。

 また、加工技術センターでは、2016年6月より切削理論の基礎から応用、工具損傷改善、トラブルシューティング、各種装置使用によるライン改善など幅広い分野での技術の伝承を目的とした「切削アカデミー」を開催している。中部テクニカルセンターでも、この「切削アカデミー」を展開し、最先端の技術、技能、ノウハウを切削工具ユーザーの技術者に体系的に伝承する人材育成の場も提供していく予定。

中部テクニカルセンター完成予想図中部テクニカルセンター完成予想図